フレイルの早期発見で要介護状態を防ごう

札幌医科大学附属病院

総合診療科

北海道札幌市中央区

「フレイル」とは、加齢とともに肉体面や精神面が衰え、ちょっとした病気やけがで生活がままならなくなる「要介護状態の予備軍」のことです。いままでは太り過ぎを「メタボ」と呼び、心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳卒中による急死の予防が注目されていました。超高齢社会となったわが国では、高齢者の痩(や)せぎみを「フレイル」と呼び、要介護状態を予防することで「元気で自立した状態で天寿を全うできる」ことが重視されています。

最近の研究では、フレイル状態にある高齢者の5割が骨粗(こつそ)しょう症(しょう)を合併し、フレイルの状態が強いほど将来の骨折リスクが高くなることが明らかにされています。

簡単な評価方法として、指輪っかテストがあります(図)。また、75 歳以上の後期高齢者が健診を受けるときには、2020 年から質問票がフレイル用に変更されていますので、複数項目に該当する場合はフレイルかもしれません。

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図 指輪っかテスト(ふくらはぎの筋肉量評価)
(出典:東京大学 高齢社会総合研究機構「フレイル予防ハンドブック」、飯島勝矢、田中友規ら(Tanaka T, et al. Geriatr Gerontol Int. 2018))

フレイル予防の3本柱は「食事内容を見直す」「身体活動を増やす」「社会参加の機会を作る」です。詳しくはお住まいの地域にある介護予防センター・地域包括支援センターやかかりつけ医に相談してみてください。

更新:2024.09.23