顔と喉の痛み、顔面けいれん、手足のしびれ

脳神経外科

顔と喉の痛み、顔面けいれん、手足のしびれ
三叉神経痛(さんさしんけいつう):
歯磨きや食事、洗顔などで顔に激痛が起きます。歯科で異常がなければ、三叉神経痛の可能性が高いです(図1、2)。
舌咽神経痛(ぜついんしんけいつう):
飲み込み時や、あくびなどで、喉(のど)の奥から耳の奥に激痛が起きます。
顔面(がんめん)けいれん:
自分の意志とは関係なく、顔がぴくぴく動きます。
手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん):
神経が靱帯(じんたい)に圧迫され親指から薬指半分までの手指のしびれ・痛みが生じます(図3)。
足根管症候群(そっこんかんしょうこうぐん):
足首内側にある神経の通り道が締め付けられて足裏に痛みやしびれが生じます(図4)。
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表 症状と疾患の関係

顔の痛みやけいれんの症状と検査

三叉神経痛・舌咽神経痛

食事や歯磨きで顔に激痛が走る、歯科受診で良くならない。このような症状は三叉神経痛の可能性があります。

ものを飲み込む、大きなあくびをするなどで、喉の奥から耳の奥に激痛が走ると、舌咽神経痛の可能性があります。いずれも、頭の中で神経に血管がぶつかって起こります。頭のMRIを撮ると、神経に血管がぶつかっている様子がわかります。

薬で痛みがとれますが、薬が効かなくなれば手術が必要です。手術で血管の圧迫を取り除くと、痛みが治ります(図1、2)。

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図1 三叉神経痛
頭の中で三叉神経が刺激されることにより、顔に激痛が走ります
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図2 三叉神経痛の手術後
手術で血管圧迫を取り除くと、痛みがなくなります

顔面けいれん

顔面けいれんは、自分の意志とは関係なく、顔がぴくぴく動く病気です。三叉神経痛と同じように、神経に血管がぶつかって起こります。症状が軽ければ様子を見ても大丈夫ですが、けいれんが強くなれば、受診をお勧めします。手術で症状をなくすことができます(図3)。

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図3 顔面けいれんの手術
水色の枠内の部分だけ髪の毛を剃ります。手術の傷跡は髪の生え際の中なので、手術の直後でもほとんど目立ちません

顔に激痛が走る、顔が無意識にぴくぴく動くなど、顔の症状でお困りの方は、お気軽に受診ください。脳神経外科の梅岡医師が特に専門です。

末梢神経、手足のしびれとムズムズ感の最新外科治療

手根管症候群

手根管症候群では、手指のしびれが強く、目が覚めることもあります(図4)。更年期や手を使う労働の方に発症します。治療はまず、薬物療法や手の安静を行います。改善がなければ、局所麻酔で手首に数cmの創(きず)で手術をします。

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図4 手根管症候群のしびれの領域

足根管症候群

足根管症候群では、足裏前方に痛みやしびれが生じます(図5)。足裏に異物が張り付いた感覚や、ムズムズ感が出る方もいます。主な原因は動脈や靭帯などによる神経の圧迫です。治療は薬物療法で改善がない場合、局所麻酔で、神経を圧迫する動脈を剥離(はくり)する足首の手術を行います。脳神経外科の喜多村医師が特に専門です。

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図5 足根管症候群

更新:2025.12.12