脳や心臓に対するカテーテル治療

救命救急科

脳や心臓に対するカテーテル治療

血管内治療

脳と心臓の病気

当院では、脳や心臓の病気に対するカテーテル(※1)治療にも力を入れています。脳の血管にできた“コブ”が破れて出血した病気を、くも膜下出血(まくかしゅっけつ)といいます。また、心臓を栄養する血管が詰まってしまう病気(急性心筋梗塞(きゅうせいしんきんこうそく))などにより、心臓の機能が弱まり、全身へ血液を十分に送れなくなる状態を、心原性(しんげんせい)ショックといいます。

※1 カテーテル:医療用の細い管

ともに命にかかわることがあるため、緊急で治療を行う必要があります。救命救急科、心臓血管集中治療科は、協力してこのような病気にも最新治療を行っています。

くも膜下出血に対するカテーテル手術

脳の血管にできた“コブ”(脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう))が破れて出血した病気をくも膜下出血といいます。3、4人に1人しか社会復帰できず、亡くなってしまうことも多い病気です。症状の特徴は突然の激しい頭痛で、重症になると意識がなくなります。くも膜下出血の治療で大切なことは、脳にダメージを与えずに、できるだけ早く脳動脈瘤の処置をすることです。

救命救急科では、くも膜下出血に対するカテーテル手術(脳動脈瘤コイル塞栓術(そくせんじゅつ))にも力を入れています(図)。カテーテルを足の付け根の血管から脳の血管まで進め、脳動脈瘤の中にコイルと呼ばれる細い金属を詰めて出血を防ぎます。「頭を切らない、脳を触らないカテーテル手術」により、患者さんへの負担をより小さくすることが可能です。

図
図 くも膜下出血に対するカテーテル手術(脳動脈瘤コイル塞栓術)

補助循環用ポンプカテーテル“Impella”

心原性ショックは、心臓の筋肉を栄養する血管(冠動脈(かんどうみゃく))が突然詰まってしまう急性心筋梗塞などにより、心臓の機能が弱まり、全身へ血液を十分に送れなくなる病気です。重症化すると心臓が止まってしまうこともあります。このような重篤な状態では、血圧を維持し、全身の各臓器へ血液を循環させるために、機械により循環を補助する治療が行われます。

2017年より新しい小型心臓ポンプである補助循環用ポンプカテーテル“Impella”(インペラ)を使用することが可能となりました。心臓血管集中治療科は救命救急科と連携し、このImpellaやECMO(エクモ)(体外式模型人工肺)などの機械を用いて、心原性ショックや心停止に陥った多くの重症患者さんを救命し、心臓の機能を回復させる治療を行っています。

更新:2025.12.12