褥瘡対策チーム チームで対策! 褥瘡ケア

日本医科大学付属病院

形成外科・再建外科・美容外科

東京都文京区千駄木

褥瘡対策チーム チームで対策! 褥瘡ケア

●褥瘡とは?

「褥瘡(じょくそう)」は、一般的に「床ずれ」として知られています。これは、ベッドでの安静が求められる患者さんや、自分での寝返りが難しい方において、おしりや腰、かかとなどの部分が持続的に圧迫されることで、その部分の血流が悪くなってできる傷を指します。

「褥瘡対策チーム」では、やせていて皮膚の上から骨が触れる患者さんなど、褥瘡のリスクが高い方に予防策を施します。また、すでに褥瘡がある患者さんには、その悪化を防ぐための治療の提案や再発を予防する環境の構築を行います。

褥瘡対策チームとは?

褥瘡対策チームは、傷の治療を専門にしている「形成外科医師」、皮膚疾患を専門とする「皮膚科医師」、褥瘡などの傷や人工肛門などの排泄(はいせつ)にかかわるケアが専門の「皮膚排泄ケア認定看護師」、患者さんの栄養状態を管理する「管理栄養士」、薬を管理する「薬剤師」などからなります。

患者さんの主治医や看護師からの依頼に応じて、入院患者さんの褥瘡を皆で相談しながら治療します。褥瘡は単に傷の問題ではなく、全身状態が傷の治り方に大きく影響します。よって、褥瘡対策チームは、傷だけを診るのではなく、患者さんの全身を診て、褥瘡の予防・治療にあたっています。

褥瘡の予防と治療

褥瘡対策チームは、回診時に患者さんのベッドサイドで、また会議室で、患者さんの全身状態や褥瘡の評価を行い、褥瘡のリスクを判断し、治療にあたっています。例えばベッドの硬さは問題ないか(体圧分散マットレスが適切か)、体の向きは問題ないか(ポジショニングが適切か)などを常に専門的な視点からチェックしています。

また、手術室では全身麻酔で意識がない状態で長時間手術をする患者さん、集中治療室では体が動かないように鎮静薬を投与したり意識がなかったりする患者さんに対して、体が硬い器具に当たっていないかなどを常に確認しています。

皮膚が圧迫されそうな部位には、ガードする創傷被覆材(そうしょうひふくざい)を貼って褥瘡を予防します。また、褥瘡の患者さんに対しては、傷の血流を良くしたり、細菌感染を抑えたりする軟膏を使って治療します(図1)。重症な褥瘡に対しては手術を行うこともあります。

図
図1 仙骨部の褥瘡
図
図2 褥瘡のできやすい位置

更新:2025.12.12