心不全の治療について教えてください
循環器内科 心臓血管外科
心不全はどのように治療するの?
心不全の治療は、①心不全の原因に対する治療、②心不全自体の治療に分かれます。
①心不全の原因に対する治療
心不全の原因は、心臓の弁の異常(弁膜症)、心筋梗塞(しんきんこうそく)など、心臓に酸素や栄養を送っている冠動脈(かんどうみゃく)の異常、高血圧や心筋症など、心臓の筋肉自体に異常を起こす場合に大別されます。
当院では、心臓超音波検査、核医学検査、MRI、病理検査など、さまざまな手段を駆使して原因を特定し、心臓血管外科も含めたハートチームで協議した上で、薬物治療、カテーテル治療、デバイス治療(ペースメーカー等)、外科手術などの治療選択肢の中から最善の治療の提供に努めています。
②心不全自体の治療
むくみや息切れを改善させるための利尿薬、心臓に有害なホルモン系をブロックするβ遮断薬、ACE阻害薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬などの飲み薬で治療を行います。2020年より、アンジオテンシン受容体・ネプリライシン阻害薬などの心不全治療の新薬が複数出てきており、当院ではそのような新薬も含めた適切な薬物治療を行っています。
心不全のチーム医療とは?
心不全で治療中に悪化して入院が必要になる誘因は、塩分のとりすぎ、薬の飲み忘れ、過労など、患者さん自身で予防可能な因子が上位を占めることが報告されています。これらの因子に対して多くの職種で介入していくことは「包括的疾病管理プログラム」と呼ばれており、最新の薬物治療や手術にも匹敵する効果があることが分かっています。
看護師による心不全看護外来や、心臓リハビリテーションのときに患者さんの状態を詳細に評価し、最適なサポート(理学療法士による適切な運動療法、薬剤師による服薬指導、管理栄養士による栄養指導など)を提供することで、心不全患者さんのより健康的な生活を支えることをめざしています。
当院では、包括的疾病管理プログラムと最新の薬物療法や手術も含めた心不全治療を両輪として、多職種チームで心不全患者さんの最適な治療の提供に努めています。
更新:2024.10.24