一人ひとりの患者さんを大切にし、心をつくした「癒しの看護」とは?

看護部

滋賀県立総合病院の看護とは?

当院は滋賀県唯一の県立総合病院であり、地域の総合医療の拠点として急性期医療(*)を担っています。また、都道府県がん診療拠点病院として急性期の治療から緩和ケアまで、「患者さんの思い」を大切にして、ケアを提供しています。

私たちがめざすのは、一人ひとりの患者さんのニーズ(要望)に対して、患者さんが納得できるように最新の知識と確かな技術、そして何よりも患者さんを思いやる心を持ってきめ細やかにケアを提供する、心をつくした「癒(いや)しの看護」です。

*急性期:病気・けがを発症後、14日以内(目安)

看護師の役割とは?

病院を訪れる患者さんはさまざまな不安や心配ごとを抱えています。私たちは、24時間常に、患者さんを看まもり、いち早く異変を察知して対処し、痛みや苦しみを和らげるよう支援しています。また、体だけでなく心の痛みや家族へのサポートも、看護師の大切な役割の1つです。

どのような看護のスペシャリストがいるの?

当院では、看護のスペシャリストとして、専門看護師(6人)、認定看護師(20人)および特定看護師(4人)が所属しています。がん看護、皮膚・排泄ケア、糖尿病看護、心不全看護、認知症看護や感染管理など幅広い分野で活躍しています。

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写真1 心不全看護外来で患者さんの話を聞きながら援助をしています

これらのスペシャリストたちが「看護専門外来」を開設して、患者さんの療養とQOL(生活の質)の向上に向けた支援を行っています。さらに、一般市民の皆さんや地域の医療従事者を対象とした研修会の開催、医療機関の要請を受けた訪問調査などを行い、地域医療に貢献しています。

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写真2 リンパ浮腫ケア外来では施術をしながら、さまざまな指導も行っています

どんな教育制度があるの?

新人看護師から看護師長に至るまで、すべての看護師に「キャリア・ラダー(*)」を設けて研修を行い、成長を支援しています。高い看護技術を身につけることはもちろんのこと、患者さんや家族の困りごとに気づき、一緒に考え、かかわる中で、人として看護師として成長し続ける姿勢を大切にしています。

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写真3 新人研修風景:状態が急に悪くなった患者さんを想定して対応を学んでいます
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写真4 新人研修風景:人形を使って実技練習をしています

また、看護師として熟練者のレベルに到達した先には、専門・認定看護師など看護のプロフェッショナルとしての道や、看護学校教員、研究者、クリニカルリーダーそして看護管理者など、さまざまな進路が開かれています。生涯を通じて学びを深め、看護の質の向上をめざすキャリアデザインを描くことを支援しています。

*キャリア・ラダー:キャリア(経歴)とラダー(はしご)を合わせた言葉。個々の人材がキャリアアップしていけるよう、段階的に仕事内容や技術の目標を設定したシステム

今後、求められる看護とは?

当院は、今後さらに総合病院としてより高度な医療を進めていきます。がん診療に関しても、患者さん一人ひとりのがん遺伝子情報に基づいたゲノム医療の実践や、終末期医療を充実させる過程で、医療倫理や看護倫理の問題に気づく感性を磨き、患者さんの最も近くにいる専門職として、医師、薬剤師、臨床工学技士、放射線技師、栄養士、セラピストなどの多職種連携の調整役となって、チーム医療を実践しています。

今、医療は治療の選択、療養生活、終末期をどのように過ごしたいかなど、患者さん自身の思いを大切にすることが求められています。患者さんが自分らしい人生を送ることができるよう、チームで協力し、より良い看護を実践していきます。

当院は、創立から約50年間、安全で質の高い医療をめざすとともに、患者さんに対して真心をつくした「癒しの看護」を提供してきました。これからも、一人ひとりの患者さんや家族に安心と信頼と満足を提供することをめざし、県民および地域住民の皆さんの健康を支えていきたいと思います。

更新:2024.10.21