しんがたころなういるすかんせんしょう

新型コロナウイルス感染症

概要

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2019年末に中国で初めて報告され、2年を経過した現在も世界中で感染が広がっています。ワクチンや治療薬の開発などの研究が進められていますが、まだ解明されていないこともたくさんあります。

ウイルスは増殖や流行を繰り返す中、一定の頻度で遺伝配列が変異していきますが、新型コロナウイルスも同様で、世界各地で新たな変異株が報告されています。いったんは感染者数が減少したように見えたものの、新たな変異株の出現によって、予断を許さない状況です(2022年1月現在)。

原因

新型コロナウイルスは、ヒトの粘膜に付着して体内に入り込み、感染を起こします。感染者が出した咳(せき)、くしゃみ、つばなどの飛沫(飛沫)が、口や鼻から入って感染するため、換気の悪い空間に人が密集していると感染が広がると推測されています。しかも、ほかの感染症と異なり、無症状や、潜伏期間であっても人への感染の可能性があるようです。感染力が強い期間は、発症する2日前から発症後7〜10日間、感染から発症までの期間(=潜伏期間)は1〜14日間(平均5日間)といわれているため、感染した人と長時間接触した濃厚接触者や海外からの入国者に対して、隔離生活が求められています。

症状

感染すると、無症状、軽症から重症と、人によって症状や経過が違います。高齢者や、糖尿病、心不全、呼吸器疾患などの基礎疾患のある人、妊娠後期の人は重症化のリスクが高いことがわかっていますが、若くて基礎疾患がないからといって、重症化しないわけではありません。また、抗がん剤、免疫抑制剤などで治療中の人は免疫機能が低下しているため、リスクが高いと考えられます。

発症の初期は、いわゆる風邪(かぜ)のような症状で、37.5度前後の発熱と倦怠感(けんたいかん)を訴える人が多く、軽症の場合は7日間程度(あるいはそれ以上)症状が続いた後、そのまま軽快します。

ほかにも、鼻水、喉(のど)の痛み、咳、息苦しさといった呼吸器症状、においや味がわからなくなる嗅覚・味覚の異常、下痢などの症状を感じる場合もあるようです。

重症化する場合は、発症から5〜7日ほど経つと、呼吸器症状が急激に悪化して肺炎、気管支炎、上気道炎を起こし、酸素投与や集中治療室での人工呼吸管理が必要になります。重症化しても、症状に対する治療を行うことで回復は可能ですが、ウイルスに対して過剰な免疫反応をおこし、血栓症や心筋炎などの合併症によって死に至る人もいます。

表
表:新型コロナウイルス感染症の重症度

後遺症

新型コロナウイルス感染症は、後遺症をもたらすことがわかっています。

筋力の低下、息苦しさ、倦怠感、疲労感、睡眠障害、集中力の低下、脱毛、味覚や嗅覚の低下など、さまざまな症状があり、中には、認知機能の低下やうつ症状なども報告されています。重症化したケースでは、肺が繊維化して硬くなってしまうと、伸縮性が低下して、常に呼吸が苦しいという症状が長期間残ります。

後遺症にも個人差があり、数日で治ることも多いですから、早めに受診することが大切です。

検査・診断

抗原検査、遺伝子検査(リアルタイムPCR、LAMP法など)による検査結果と、医師の診察に基づいて診断します。

感染が疑われる場合は、かかりつけ医あるいは居住している地域の相談センターに問い合わせ、係員の指示に従います。

風邪のような症状が4日以上続くというのが、受診の目安です。受診時には必ずマスクを着用して、感染の拡大の予防に努めましょう。

治療

新型コロナウイルス感染症の治療としては、抗ウイルス薬、血栓予防薬、ステロイドなど、厚生労働省によって承認された治療薬を使用します。発症してからすぐに治療を開始すると効果がありますが、時間が経過して体内のウイルス量が増加すると、存分な効果は期待できません。

また、肺炎の治療については、指先にパルスオキシメーターを装着して測った酸素飽和度が93%以下だと酸素吸入が必要と診断され、鼻に管(カニュラ)を入れる酸素療法が行われます。さらに酸素飽和度が下がると、酸素マスクでの酸素投与になりますが、重症化を防ぐために高流量鼻カニュラ酸素療法という、太い管を鼻に入れて大量の酸素を投与する方法もあります。

予防

予防にはワクチン接種、マスクの着用、手洗い、ソーシャルディスタンスをとることが有効です。自分の咳やくしゃみの飛沫が相手に届かないよう、あるいは他人の飛沫を浴びないよう、人との間に一定の距離を保つべきです。また、帰省や旅行などの移動も、必要最低限にします。

体調管理も重要で、睡眠をしっかりとり、栄養バランスのとれた食生活を送るなど、免疫力を高めて自らの健康を保つことが何よりの予防です。

更新:2022.05.26