消化器・肝臓病センターの役割
済生会吹田病院
消化器・肝臓病センター
大阪府吹田市川園町
消化器疾患は多岐にわたり、1人の専門医のみでは対応が困難です。当院では、内科・外科の消化器病専門医を1つの部署にまとめ、効率的かつ専門的に診断・治療が行えるよう、消化器・肝臓病センターを設置しています。
当センターで実施している治療について
食道がん・胃がん・大腸がんに対して、高度な知識と技術をもって診断を行っています。診断において内視鏡での治療が安全かつ治癒的なものと判断できれば、積極的に内視鏡治療を実施しています。内視鏡的治療件数は年々増加し、治療成績も良好です。内視鏡治療後の病理診断結果により、将来再発が疑われるときには、外科と連携し速やかな外科治療を行います。
消化器がんの外科治療には腹腔鏡(ふくくうきょう)を用いて、精密で侵襲(しんしゅう)の少ない(体への負担が少ない)治療を、日本の学会の治療ガイドラインを遵守し行っています。2018年度からは、胃がん・大腸がんに対してロボット手術が保険で一部認められました。当院でも実施に向け、準備を進めています。
胃の病気を引き起こすピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の除菌療法も以前より積極的に行っています。除菌できてもその後の経過観察が必要な方もいますので、担当医に相談してください。
胃潰瘍(いかいよう)、十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)、クローン病、潰瘍性大腸炎など専門性の高い疾患の加療を行っています。
良性の急性疾患である急性虫垂炎の治療は、年々変化しています。炎症が限局性で全身が安定している状態であれば、抗生剤で炎症を抑えた後に、腹腔鏡を用いて小さな穴をあけ、虫垂を切除します。ただ、緊急を要する人には腹腔鏡を用いる手術を第1選択として治療を行います。
急性胆嚢炎(きゅうせいたんのうえん)は状態に応じて、抗生剤治療や緊急手術を行います。
肝臓がんには、ウイルスやお酒が原因の肝細胞がん・転移性肝がん(年々増加しています)・肝内胆管がんがあります。切除が安全に行える場合は第1選択の治療法としています。
ラジオ波治療は内科・外科が協力して、肝臓のどんな場所にがんがあっても行えるようにしています。合併症はほとんどなく、症例によっては腹腔鏡を用いた負担の少ない治療を行っています。
膵臓(すいぞう)がんに対しては積極的に化学療法を行っています。20年前は切除できなければ余命3~6か月でしたが、今では1年以上の生存が期待できるようになっています。切除できる人でも、抗がん剤治療を行った後に手術をすることが増え、経過も良くなってきています。これらの治療を内科・外科がカンファレンスをしながら行っています。
当センターでは消化管の良性・悪性疾患に対して、内科医と外科医が一体となって、信頼ある確かな治療を実施しています。
更新:2024.10.17