帯状疱疹ワクチンについて徹底解説。3人に1人がかかるって本当?

メディカルブレイン編集部

テレビのCMや病院・クリニックの掲示物などで、帯状疱疹 (たいじょうほうしん)ワクチンの情報をよく見かけるようになりました。
2018年3月に新しいワクチンが承認され、ワクチンについて目にする機会が増えていますが、今のところワクチン接種は任意接種のため、費用は全額自己負担となります。接種費用を助成している市区町村もありますが、現状はまだまだ少ないようです。

帯状疱疹は、体内にある水疱瘡 (みずぼうそう)ウイルスが、再び活動を始めることによって引き起こされる病気で、皮膚や神経に症状が現れ、激しい痛みやかゆみを伴う水疱 (すいほう)発疹 (ほっしん)が現れます。
日本の成人の水疱瘡ウイルスに対する抗体保有率は90%以上で、ほとんどの人に帯状疱疹発症リスクがあると言われています。
特に50歳以上の人の発症が多く、80歳までに約3人に1人、85 歳までに半数の人が帯状疱疹を経験しています。帯状疱疹にかかって大変だったという知り合いがいる方も多いのではないでしょうか。
現在、帯状疱疹のワクチンは2種類あり、どちらも50歳以上の人が接種対象となっています。
そのうちの一つ「シングリックス」は、2018年3月に薬事承認された比較的新しいワクチンで、大変高い予防効果を上げています。

ここでは、帯状疱疹ワクチンの種類、その効果や副反応、接種費用、助成金などについて詳しく解説していきます。

帯状疱疹の原因や症状については「帯状疱疹」の解説ページをご覧ください。

帯状疱疹ワクチンの種類

現在、日本で接種可能な帯状疱疹ワクチンは、「ビケン(阪大微研)」と「シングリックス(グラクソ・スミスクライン〈GSK〉)」の2種類があり、どちらのワクチンも、帯状疱疹にかかりにくくするだけでなく、かかった場合でも重症化を防ぐ効果があります。
ワクチンを接種できる人は、「ビケン」「シングリックス」とも、帯状疱疹の発症率の高い50歳以上の人だけです。

「ビケン」、「シングリックス」それぞれの特徴や費用は以下の表の通りです。
※どちらのワクチンも自費診療となるため、費用については医療機関によって異なります。

名称
(ワクチン製造メーカー)
ビケン
(阪大微研)
シングリックス
(GSK)
種類 弱毒生ワクチン 不活化ワクチン
対象 50歳以上 50歳以上
接種回数 1回 2回
(接種間隔2か月~6か月)
費用 8000円~1万円程度 2回で合計4万円程度
接種方法 皮下注射 筋肉注射
発症予防効果 50~60%程度 90%以上
持続期間 5年程度 9年以上

副反応について

「ビケン」の主な副反応は、注射部位に腫れや赤みが出て、かゆみや痛みが起こる場合があります。
「シングリックス」はこれに加え、疲労感や頭痛、発熱などが起こる場合もあるようですが、いずれの副反応も3日~1週間程度で治まっていきます。

結局どちらのワクチンがいいの?

「シングリックス」は2018年3月に日本国内で承認された新しいワクチンです。非常に高い効果が持続することが特徴ですが、2回接種しなければならないことや値段が高いことが接種のネックになります。
これに対し「ビケン」は小児に打つ水疱ワクチン(水疱瘡のワクチン)と同じもので、接種は1回、費用も比較的安価ですが、発症予防効果は「シングリックス」ほど高くありません。

ワクチン選択の参考に、「ビケン」「シングリックス」のメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
※最終的にどちらのワクチンにするかは、医師に相談のうえ決定してください。

乾燥弱毒生水痘ワクチン
ビケン(阪大微研)
乾燥組換え帯状疱疹ワクチン
シングリックス(GSK)
メリット ・接種が1回で済む
・副反応がシングリックスに比べて小さい
・値段が比較的安い
・発症予防効果が高い
・効果持続期間が長い
・免疫抑制状態でも接種可能
デメリット ・シングリックスに比べ発症予防効果が低い
・効果持続期間が短い
・免疫抑制状態(HIV感染症など)、免疫力抑制をきたす治療を受けている場合は接種できない
・値段が高い
・2回接種しなければならない
・副反応がビケンに比べて大きい

帯状疱疹ワクチンの助成金

帯状疱疹ワクチンは、今のところ任意接種のワクチンのため自費での接種が基本ですが、ワクチンの接種費用を一部助成している市区町村もあります。

例えば東京都では、2023年度から、帯状疱疹ワクチンの費用を助成する区市町村に、その1/2を補助しています。このため東京都の多くの区市町村で帯状疱疹ワクチンの助成が始まりつつあります。また愛知県では、名古屋市が2020年度から助成を始めているほか、刈谷市、稲沢市、大府市、豊山町、飛島村でも助成制度があり、2023年度にはさらに増えているようです。

しかしながら、全国的には帯状疱疹ワクチンの費用を助成している市区町村はまだまだ少なく、今後の拡大を期待したいところです。
国の対応としては、厚生労働省の審議会で、帯状疱疹ワクチンの定期接種化の検討が続けられていますが、決定までにはもうしばらく時間がかかりそうです。

※定期接種化されるとワクチンの費用は、 原則、地方自治体から支払われることになります。(一部自己負担あり)
※市区町村の助成制度については、お住まいの自治体にお問い合わせください。

更新:2023.08.22