見逃さないで!浮腫(むくみ)は体の不調のサインかも⁉︎

メディカルブレイン編集部

「浮腫」とは医学用語で、一般的に「むくみ」と呼ばれる症状のことを指します。日常的によく見られる症状の一つですが、その裏に何かしらの病気が潜んでいることも。
そんな不調のサインを見逃さないためにも、その原因や関連する病気、またその予防法や対処法など、「浮腫」に関する基礎知識を紹介します。

浮腫とは?

何らかの原因で細胞間の水分が異常に増加したものの体外に排出されず、皮下組織に過剰な水分がたまってしまった状態のことを指します。
例えば、夕方になると履いている靴がキツく感じたり、お酒を飲んだ次の日に顔が腫れぼったく感じたりなどといった経験はありませんか?
このような状態を「浮腫」または「むくみ」と呼びます。
重力の関係で体の下の部分を中心に起こりやすく、足や(すね)を指で圧迫した痕の戻り具合である程度判別できます。なかなか戻らない場合は、浮腫が出ている証拠です。

浮腫の解説イラスト

浮腫が起こる原因は?

大きく分けて、下記の5つの要因が関与しています。

  • 血管内の水分量の上昇

    血管内の水分が短時間で過剰に増えた場合、またはどこかで静脈がせき止められた場合などに静脈内の血圧が上昇して、血管からしみ出す水分量が増えることで起こります。
    水分や塩分を摂取し過ぎて起こる浮腫は、血管内の水分量が増えることが原因です。塩分は体内で水分を多く取り込む性質を持つナトリウムに変わるため、とり過ぎると血管内の水分量の増加につながります。

  • 血管内の浸透圧の低下

    血中の栄養不足により血管内の浸透圧が低下すると、血管内の水分保持が困難になります。
    その結果、血管の外に水分や塩分が余分に増えてしまい、浮腫を引き起こします。

  • 血管透過性の異常

    血管には周囲の組織との間で水分や栄養分が移動する機能があり、これを透過性と言います。透過性が高くなると、血管内に保っておく必要のある水分や栄養分まで血管外に流出してしまい浮腫となります。
    疾患の中には、この血管透過性が高くなってしまうものがあるのです。

  • リンパ管の閉塞(へいそく)

    がんの手術によるリンパ節の切除や放射線治療によるリンパの流れの停滞、またはリンパ管やリンパ節の発育不全といった先天的な要因によっても浮腫は引き起こされます。リンパ性浮腫と呼ばれます。

  • 長時間同じ姿勢でいること

    立ちっぱなしや座りっぱなしの姿勢で長時間いることで、重力の影響により体の下の方に水分がたまり、主に下肢に浮腫が表れやすくなります。突発性浮腫と呼ばれます。

浮腫のしくみイラスト

浮腫の種類と関連する病気

「浮腫」は上記のようにさまざまな原因によって引き起こされますが、そんな浮腫にはどのような種類があるのでしょうか。
浮腫の分類と、代表的な関連疾患を見ていきましょう。

浮腫の分類 特徴 代表的な関連疾患
全身性浮腫 重力の影響から、主に下肢や足の甲などに見られることが多い。 ①心臓性浮腫:心不全
②腎性浮腫:腎炎(じんえん)、腎不全、ネフローゼ症候群
③肝性浮腫:肝硬変(腹水を伴うことが多い)
④内分泌性浮腫:甲状腺機能低下症・亢進症(こうしんしょう)
⑤栄養障害性浮腫:食事がとれないことにより、血液中のタンパク質が低下した状態
⑥薬剤性浮腫:薬の副作用によるもの(グリチルリチン、経口避妊薬など)
⑦妊娠に伴う浮腫:原因疾患なし
⑧突発性浮腫:原因疾患なし
局所性浮腫 全身性と比べると、見た目の左右差がより顕著。 ①皮膚感染症:発赤・熱感・疼痛(とうつう)を伴う場合、丹毒(たんどく)蜂窩織炎(ほうかしきえん)(一般的に水虫と呼ばれる足白癬からの二次感染が主な原因)など
②アレルギー性浮腫:じんましん、クインケ浮腫など(食物・薬物アレルギー、膠原病(こうげんびょう)、ストレスなどが原因で発症)
③静脈性浮腫:深部静脈血栓症、下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)など(下肢の静脈に血液がうっ滞することで発症)
④リンパ性浮腫:がん、リンパ管の機能不全など
⑤廃用性浮腫:脳卒中の後遺症、変形性膝関節(しつかんせつ)症、下腿の筋力低下(下肢の外傷や術後、関節リウマチ、加齢) など

軽度の浮腫は日常的に起こるもので病気ではありませんが、浮腫の状態や程度によっては何らかの疾患が潜んでいることも。症状が気になる場合は放置せず、医師の判断を仰ぐようにしましょう。

浮腫の対処法

予防するためには?

特定の疾患に由来しない「突発性浮腫」は、日々の生活習慣から手軽に予防できます。

  • 適度な運動

    ウオーキングやランニングなどで下肢を適度に鍛えるのは浮腫防止に効果的です。筋肉がポンプの役割をしてくれます。マッサージやストレッチなどで、セルフケアをするのもおすすめです。

  • 塩分やアルコールを控える

    塩分やアルコールの過剰摂取は、浮腫を誘発します。浮腫に限りませんが、適度な摂取量を心がけましょう。

浮腫の対処法イラスト

浮腫が起こったら?

浮腫そのものへの対策としては、利尿剤を使用して体内の過剰な水分を排出するなどの方法があります。弾性包帯や医療用圧迫ストッキングで圧迫するのも、手軽にできて効果的です。 病気が浮腫を引き起こしている場合は、まず原因となる病気の治療が必要です。

こんな時は病院へ!

食事や服薬の直後、急に浮腫が発生した場合は、即座に病院へ行きましょう。症状によっては、救急車を呼ぶこともためらわずに。放置すると呼吸困難に陥る可能性があり、緊急性が高いことも。
数日間などの短期間で局所的に、または薬の飲み始めや変えたタイミングで浮腫が出現した場合も、できるだけ早めに病院へ行きましょう。
関節の痛みを伴う場合や下肢の静脈瘤が見られた時、肝臓が悪い状態で浮腫が目立つケースなどは、1カ月以内を目安に医療機関を受診することが望ましいです。

更新:2024.07.05