その症状・・・眼瞼下垂かも?

済生会吹田病院

形成外科

大阪府吹田市川園町

眼瞼下垂とは?

目を開いたときに上まぶたが正常の位置より下がっている状態をいいます。生まれつきによる先天性眼瞼下垂(がんけんかすい)と加齢などによって起こる後天性眼瞼下垂があります。

もしかすると、それは「眼瞼下垂」かも?

眼瞼下垂の症状は、さまざまです。まずは、セルフチェックをしてみましょう。

①まぶたが黒目にかかっている、②まぶたが重く感じる、③頭痛がある、④肩こりがある、⑤おでこに深いシワが増えた、⑥いつも顎(あご)をあげている、⑦眠そうな表情にみられる、⑧眼精疲労が強い、⑨夕方になるとまぶたが開けにくい。

該当する項目が多い方は、

  1. 顔を正面に向けて目を軽く閉じます。
  2. 目を閉じたまま、両側の眉の上を人差し指で強く押さえます。
  3. 眉の上を押さえたまま、目を開けます。

額に力を入れずに目を開けることができれば心配はいりません。一方で目が開けにくかったり、目を開けようとすると人差し指を押し上げてしまったりという場合には、眼瞼下垂の疑いがあります(図1)。

イラスト
図1 眼瞼下垂セルフチェック

眼瞼下垂の原因

「図2」に眼瞼の解剖を示します。眼球の後方からまぶたを動かす筋肉(上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん))が伸びてきて、その末端の膜(上眼瞼挙筋腱膜)がまぶたの組織(瞼板)につながっています。

図
図2 眼瞼の解剖
先天性眼瞼下垂
生まれつき、まぶたを持ち上げるための筋肉「眼瞼挙筋」の働きが弱かったり、全く機能していなかったりするために起こります。
後天性眼瞼下垂
まぶたを擦る行為(化粧を落とす・花粉症やアトピーなど・コンタクトレンズの長期間使用など)で眼瞼挙筋と瞼板をつなぐ「眼瞼挙筋腱膜」が外れたり、伸びたりしてしまうことで、眼瞼挙筋が収縮しても、その力が瞼板に伝わらず眼瞼下垂になってしまった状態です。

眼瞼下垂の治療方法

眼瞼下垂の手術には、さまざまな方法があります。

眼瞼挙筋腱膜前転固定術
外れたり伸びたりしてしまった眼瞼挙筋腱膜と瞼板を再固定する方法です。眼瞼下垂の治療法として代表的な手法です。手術によってまぶたが楽に開けられるようになります。
筋膜移植術(筋膜吊上げ術)
眼瞼挙筋に収縮する能力がない、もしくは非常に低下している人が適応になります。多くは、生まれつきまぶたが開けられない先天性眼瞼下垂に対して行われます。眉毛をあげる筋肉(前頭筋)とまぶたの縁にある瞼板という組織を、太ももの筋膜でつなぐ術式です。これにより、前頭筋の力を利用して、まぶたを開くことが可能となります。

更新:2024.10.18