無理なダイエットがもたらす後々のツケ
札幌医科大学附属病院
婦人科
北海道札幌市中央区

ダイエットという言葉はあいさつ代わりに使用され、「痩(や)せたね」は褒め言葉、「太ったね」はNGなのが世の常となっていますが、痩せすぎは褒められたことではありません。
若い女性で「やせ」が多いことは、厚生労働省が毎年全国レベルで実施している国民健康・栄養調査で示されています。2017年に行われた調査によると、肥満度(BMI)が18.5未満の「やせ(低体重)」が20歳代女性では21.7%を占めていて、健康日本21の目標値20%を上回っており、痩せすぎの心配が懸念されています(1)。

痩せすぎで無月経となることは知られていますが、体重減少性無月経は「視床下部性(ししょうかぶせい)」無月経とカテゴリー分けされ脳の問題となります。「脳」、そう考えると怖いですね。女性ホルモンの低下による骨粗(こつそ)しょう症(しょう)も将来的に予想されます。無月経が回復して妊娠しても、生まれてくる子は低出生体重児の可能性が高く、無理なダイエットで得られるものの代償は結構大きいです。ダイエットはご自身の将来、次世代への影響まで考えて加減して行ってくださいね。
【参考文献】
1)厚生労働省 平成29年国民栄養・栄養調査結果の概要
更新:2024.09.23