適応反応症(適応障害)
肥前精神医療センター
精神科
佐賀県神埼郡吉野ヶ里町三津

どんな病気?
適応反応症は、環境の変化に適応できず、ストレスで心身に不調を来し、生活に支障が出る状態です。進学、就職、異動や転職、結婚など、大きな環境変化が引き金となりやすいです。症状として、気分の落ち込み、興味・関心の喪失、不安や緊張の増加、神経質になり、眠れなくなったり食欲が減ることがあります。生活に支障があるほどのストレス、不安、イライラなどがある場合には、早めの医療機関への相談をお勧めします。心理カウンセリングや環境調整、ストレス管理、薬物療法などで改善が期待されます。
症状
不安や抑うつ、イライラ、不眠
症状は人により異なりますが、以下のものが挙げられます。
- うつ症状:
- 興味や喜びが失われ、気持ちが沈んで気力がなくなることがあります。将来に対する希望が持てず、集中力が低下し、仕事や学業でミスが増え、パフォーマンスが低下することがあります。結果として、早退や欠勤も見られることがあります。
- 不安:
- パニックや強い恐怖、焦りが生じることがあります。普段は気にならない些細なことにも過剰に反応し、イライラや怒りっぽさが増します。ストレスの原因となる出来事や状況を思い出すと、突然涙が出たり、動悸や息切れが起こることもあります。
- 身体症状:
- 頭痛、胃痛、睡眠障害、涙が止まらないなどの症状が現れることがあります。ストレスの原因を思い出すと、これらの症状が強まることが多いです。睡眠の問題や食欲の変化、だるさ、疲労感も見られることがあります。
- 行動の変化:
- 人との接触を避けるようになり、気分を紛らわせるためにアルコールや薬物に頼ることがあります。
ストレスの原因はさまざまで、以下のものが挙げられます。
- 生活面:
- 引っ越し、結婚、離婚、出産、子育て、家族の死などの変化がストレスの原因となりやすいです。
- 仕事面:
- 就職、転職、失業、昇進、降格のほか、パワハラ、セクハラなど、自分の能力を否定されたり、職場の人間関係に問題が生じたりすることがあります。

検査・診断
問診、面接と検査で診断
ストレスが起きる前の生活状況と、ストレスとなった出来事や、その後の調子の変化など、経過についてお話を伺います。どのような症状があるのか、その症状の重さを問診、面接で評価し、他の精神疾患や身体疾患との鑑別をしていきます。身体疾患からきているものではないかどうかを確認するために、採血や心電図などの検査をすることがあります。これらを総合的に判断して、診断されます。
治療と経過
休養と環境調整が中心
回復するためのステップは以下の通りです。
- 休養:
ストレス環境から離れ、睡眠や栄養を十分に取り、休養します。自宅での休養や入院が考えられます。環境が変わっても眠れない場合は、薬物療法が検討されることがあります。回復を促進するために、好きなことをしたりリラックスしたりする時間を確保します。 - 問題の整理と将来の希望:
ある程度回復した段階で、これまでの環境や経過を整理し、将来の希望について話し合います。 - 環境調整:
ストレス要因を減らすため、環境を調整します。職場では、部署替えや転職、仕事量や仕事内容の調整、対人ストレスを軽減するための接触の減少などが考えられます。また、家族や友人によるサポート体制を整えることも有効です。
認知行動療法とストレス管理:診察や心理療法で、認知行動療法などを通じてストレス反応への理解を深め、効果的な対応方法を試し、練習します。普段の生活でストレス解消や反応を和らげる活動を習慣化することで、ストレスへの対応力を高めます。
よくある質問
適応できないのは、その人が悪い、弱いのでしょうか?
ご本人の特性と、ご本人の置かれた環境とのマッチング、相性、という側面があります。環境なり本人なりがいい、悪い、という話ではありません。変えられる範囲で、よりよい環境の調整に向けて話し合っていきます。ご本人の側においても、ご本人のストレスへの反応の傾向と対策をとっていき、より柔軟で多様な対応をしていけるようにしていきます。
症状をCHECK
※症状は人によりさまざまです
- □ それまでスルーしていたくらいのストレスでも反応するようになっている
- □ 疲れを感じやすい
- □ 学校や職場に行きたくない
- □ ゆううつになることがある
- □ イライラすることが増えた
- □ 不安になることが増えた
- □ 頭痛や肩こり、めまいなど体の不調がある
- □ 酒やたばこ、カフェインなどの量が増えた
- □ 食欲が落ちた
- □ 食べ過ぎるようになった
- □ この頃よく眠れない
更新:2026.08.14
