がん遺伝子パネル検査って、なに?

がん診療推進センター

がん細胞の持つ遺伝子の異常に基づいた治療薬の選択を行います

1.がん細胞と遺伝子の変異

がんは細胞の遺伝子に変異が生じることによって起こる病気です。従来の抗がん薬治療では、肺がんや大腸がんなど、がんが発生した臓器(部位)に応じて治療薬が選択されてきました。一方で近年では、発生した臓器が異なっていても、同じ種類の遺伝子変異を持つがんには、同じ治療薬が効果を示す場合があることが分かってきています。

2.がん遺伝子パネル検査とは

がん遺伝子パネル検査は、がん細胞に生じている多数の遺伝子の変化を一度に調べることができる検査です。この検査により、そのがんの特徴をより詳しく理解することができ、遺伝子の変異に基づいて、診断の補助、今後の見通し(予後)の推定、治療薬選択の検討材料とすることが可能になります。

フローチャート
がん遺伝子パネル検査の流れ(出典:厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000504302.pdfより引用・改変)

3.検査の対象となる患者さん

通常の治療を行っても十分な効果が得られなくなった場合や、副作用などにより治療の選択肢が限られてきた固形がんの患者さんが主な対象となります。また、一部の条件を満たした血液がんの患者さんも対象となる場合があります。検査の適応については、主治医が患者さんの病状を総合的に判断し、必要に応じて専門外来へ紹介します。

4.まだ発達途上の検査です

がん遺伝子パネル検査は、がん医療を大きく進歩させる可能性を持つ検査ですが、すべての遺伝子変異に対して、現時点で有効な治療薬が存在するわけではありません。そのため、検査によって治療の選択肢として検討可能な遺伝子変異が見つかる患者さんは一定数存在するものの、実際に新たな治療へ到達する患者さんは現時点では全体の約1~2割程度にとどまっています。

5.遺伝性腫瘍がわかる可能性があります

がんの遺伝子を調べる過程で、その遺伝子の変化を生まれつき持っている可能性が示唆されることがあります。その場合、ご本人だけでなくご家族にも関係する重要な情報となることがあるため、必要に応じて遺伝カウンセリング外来で専門的な相談を受けることができます。

更新:2026.03.11