てんかんは治るのでしょうか?

脳神経内科

てんかんは、子どもの病気?

小児は体だけではなく、脳も成長し続けており、神経のつながり(神経ネットワーク)が年齢とともに変化していきます。その過程において、小児特有なてんかんも多く、成長とともに発作が減少し、最終的には服薬が不要になる方もいます。

一方で、遺伝的な原因、脳炎、外傷などで生じる場合には、発作がなくなるのが難しく、十分な治療が必要になることが多いといわれています。

てんかんは若年者の病気というイメージが強いですが、近年では高齢者の発症が増加しています。加齢や脳血管障害、認知症に伴う神経の微小な傷が原因となって生じ、薬の反応は比較的よいものの、治療の継続が必要となる場合が多いといわれています。

てんかんは生涯で0.9%の人が経験するといわれており、誰もがかかりうる身近な病気です。

てんかんと診断されたら自動車運転は無理ですか?

てんかんと診断されると二度と運転ができなくなる印象がありますが、発作がコントロールされ一定の条件を満たせば、運転が再開できる可能性もあります。

確かに、意識を失うようなてんかん発作を起こすと、法制上一定期間運転はできなくなりますが、診断を恐れて治療を行わないと、重大事故により個人的にも社会的にも多大なダメージを負うことになります。また、発作を繰り返すことにより、脳へのダメージが蓄積することもあります。原因がてんかん以外の可能性もありますので、正しく診断を受け、適切な治療を受けることが重要です。

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図 てんかん発作

てんかんといえば、意識を失い手足をバタバタさせるというイメージがありますが、短時間ぼーっとして反応が乏しい、意味なく同じ行動を繰り返すが声をかけても反応がおかしい、何度も日付を尋ねるなどの症状が現れることもあります。記憶するのが短時間困難になるなどの症状を「繰り返し」起こすことも、てんかんが原因となっている場合があります。特に最後の症状は、認知症と間違われやすいので注意が必要です。

更新:2023.08.27