かんせつりうまち

関節リウマチ

概要

免疫に異常が生じ、関節内の滑膜(かつまく)という組織が増殖することによって、関節に痛みや腫れが発生する病気で、手指や手首などの小さい関節を中心に症状が現れはじめます。進行すると、骨や軟骨が壊れて関節が動かせなくなり、変形を起こします。関節の症状だけでなく、貧血や微熱、倦怠感(けんたいかん)などの全身症状が現れることもあります。

関節リウマチは全身性自己免疫疾患で、全国で60〜70万人弱の患者さんがいますが、治療法の確立によって患者さんの数は少しずつ減少傾向にあります。

特徴としては、4対1の割合で女性の方が男性より多く、発症年齢のピークは30~50代です。

全身の血管に炎症が起こる血管炎などを伴う場合は、悪性関節リウマチ(難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/entry/43)と呼ばれ、難病に指定されています。

図
図:リウマチの男女比と主な症状

原因

この病気は、自分自身の免疫が異常を起こして引き起こされる自己免疫疾患です。免疫とは、ウイルスや細菌などの異物が体内に入ってくると、体を守るため防御・攻撃するシステムで、通常は異物だけを攻撃し、自分の体は攻撃しないよう働いていますが、何らかの異常が起こると、免疫細胞が自分の身体を攻撃しはじめるのです。免疫異常が起こると、滑膜が増殖し、関節に痛みや腫れが生じ、関節液が増加し、軟骨や骨の破壊が進んでいきます。

免疫異常がなぜ起こるのかは、完全には解明されていませんが、遺伝的要因や喫煙、歯周病や感染症などとの関連が指摘されています。遺伝については、リウマチの発症に関与する遺伝子は100種類ほど数えられています。また、喫煙者は非喫煙者に比べて、発症頻度が高い傾向にあります。

こうした複数の因子が重なり合って、リウマチが引き起こされると考えられています。

症状

主な症状は関節の痛みや腫れです。痛みは全身どの関節にも生じる可能性がありますが、特に症状が出やすい部位は、指、手首、肘(ひじ)、肩、足、膝(ひざ)、股関節などです。初期のうちは、起床時に手指のこわばりが生じます。しかし、日中になると体を動かすことで症状が軽快することが多いので、この症状を「朝のこわばり」と呼んでいます。

症状は天候によっても現れ方が違ってきます。晴れた日には痛みは軽快し、雨の日や寒い日には強くなります。また、痛む部位は左右対称に現れるという特徴もあります。

症状が長く続くと、軟骨や骨が少しずつ破壊され、変形や脱臼、関節が硬くこわばったり、関節の曲げ伸ばしがしにくくなる拘縮(こうしゅく)を起こし、日常生活に支障をきたすようになります。

全身症状としては疲れやすさ、脱力感、体重減少、食欲低下などが見られます。

検査

血液検査

もっとも重要な検査です。自己抗体の様子と炎症反応の様子を調べます。自己抗体ではリウマトイド因子や抗CCP抗体の検査が行われます。ただ、血液検査が陽性になっても、必ずしも関節リウマチだとはいえません。特にリウマトイド因子は健常者でも陽性になることが多いためです。

画像検査

X線を中心に行われ、画像から骨びらん(骨が虫食いのように欠ける状態) の有無、関節の隙間の狭まりなどが確認でき、進行度が判断できます。関節超音波検査やMRI検査も行われることがあります。

尿検査

症状が長く続くと腎機能が悪化し、尿にタンパクが出ることがあります。薬の副作用や合併症のチェックをする上でも大切な検査です。

治療

かつてリウマチは進行性の病気といわれ、寛解(かんかい/症状が落ち着いた状態)を迎える患者さんはごく一部でした。しかし、近年リウマチ治療は目覚ましい進歩を遂げ、効果の高い薬が開発され、半数近くの患者さんは寛解に至るようになりました。

主要な治療法は薬物療法ですが、ほかにリハビリテーションや手術などを必要に応じて組み合わせます。

薬物療法

抗リウマチ薬が中心になります。リウマチの免疫異常を調節し、関節破壊の進行を遅らせる効果が期待できます。ただ、骨髄抑制、肝障害、間質性肺炎などの重い副作用が起こることがあるので、定期的な経過観察が必要です。

抗リウマチ薬の効果が不十分な場合には、生物学的製剤が使われます。関節の炎症を抑え、軟骨や骨の破壊の進行を劇的に抑えることのできる画期的な薬といえます。点滴注射や皮下注射で投与されますが、患者自身で注射できるキットも登場し、使いやすくなってきました。

リハビリテーション

運動療法、理学療法、作業療法などがあります。運動療法の基本はリウマチ体操で、痛みやこわばりなどの症状を緩和するといわれています。この体操を始めるときは、主治医やリハビリテーションの療法士の指導の下に行うことが大事です。

手術

人工関節置換術手術は、傷んでもろくなった関節を人工関節にする手術です。人工関節の材質も年々進歩し、耐用年数も長くなっています。

予防

十分な睡眠をとり、栄養のバランスをとって適正体重を維持することが大切です。牛乳、乳製品、小魚、大豆、卵黄、緑黄色野菜など、カルシウムが豊富な食品を食べ、ビタミンDも積極的にとり、飲酒を控えることも重要です。体重増加は関節の負担が大きくなるので、体重の管理にも十分気を配りたいものです。

長く付きあっていくことになる病気なので、周囲のサポートも必要です。諦めずに治療していく気持ちの持ちようも大きな鍵になります。

更新:2022.05.26

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