治験:「薬の候補」の効果と安全性の確認

肥前精神医療センター

治験管理室

佐賀県神埼郡吉野ヶ里町三津

治験:「薬の候補」の効果と安全性の確認

今わたしたちが病気の治療などに使っている薬は、多くの患者さんのボランティアによる「治験」を経て誕生し、新しい薬もまた「治験」から生まれ、未来へと受け継がれます。

治験とは~新しい薬が誕生するまで~

一つの「薬」を開発するためには、実験室や動物で効果や毒性を調べ、最終的には人で効果や安全性を確認する期間が必要です。

この、人で確認する試験を「臨床試験」と呼び、その中でも国の承認を得るために行う臨床試験のことを「治験」と呼びます。治験は「薬機法※」という薬全般に関する法律と、これに基づいて国が定めた「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP)」のルールに従って行われます。
新薬ができるまでには以下の図のようなステップがあり、治験管理室では、治験コーディネーター(看護師・薬剤師)と事務員が患者さんと医師、さらに治験依頼者(製薬会社など)との連絡役となり、治験業務の支援や治験に関わる事務的業務、業務を行う院内スタッフ間の調整など、治験業務全般をサポートしています。

図
※プラセボとは、有効成分を含まない(治療効果のない)薬のこと。

精神科の薬は、1950年代に生まれて以来、数多く開発されてきました。これらの中には、もう使われなくなった薬もあれば、今なお臨床現場で使われている有効な薬も数多くあります。しかし、統合失調症・躁うつ病・神経症・発達障害・認知症・アルコール依存症など多くの精神疾患の治療において、現在使われている薬より有益な作用があり、副作用は少なく、患者さんの生活の質を高める新しい薬の研究と開発がまだまだ求められています。欧米などではすでに使用されて多くの患者さんに役立っている薬が、日本ではなかなか治験が進まないために認可されずに使えないという困った現実もあります。これらの新しい精神科の薬を、多くの皆さんに提供できるようにするためにも治験は欠かせないものです。

当院では統合失調症や認知症などさまざまな疾患を対象とした治験を実施しており、積極的に治験を推進することで、精神医療に大きく貢献しています。

※薬機法:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

更新:2026.08.14