帯状疱疹とは
済生会吹田病院
皮膚科
大阪府吹田市川園町
抵抗力が弱っているときは要注意
中高年の方は、幼い頃、ほとんどがかかったことのある病気、水ぼうそう。そのウイルスは、実は病気が治ったあとも体内に潜んでいて、何かのきっかけで抵抗力が落ちると、また発症してしまいます。これが帯状疱疹(たいじょうほうしん)です。
水ぼうそうを起こしたウイルスは、治癒後は体の中の神経節に隠れています。そして、疲れや風邪、加齢などで抵抗力が落ちたときに再活動を始め、神経を伝わって皮膚に現れます。帯状疱疹の多くが痛みを伴うのは、ウイルスが神経を伝わって現れてくるためです。
最初の症状は、ほとんどが痛みです。体の左右どちらか片方にチクチクした痛みが起こり、しばらくするとその部分が赤くなり、やがて水ぶくれになっていきます。それが濁って黄色くなったあとに黒褐色のかさぶたに、という経過をたどります。かさぶたが取れて治っていきますが、ひどいときは潰瘍(かいよう)になることもあります。痛みが始まってから水ぶくれが治るまでの間は、通常、3週間から1か月です。
できる場所に注意
水ぶくれのできる場所は、人によって違います。胸から背中にできる人、お腹(なか)にできる人もあれば、顔や腕、足にできる人もいます。顔にできた場合、目のそばに及ぶと眼球を傷つけたり、耳の近くにできると顔面神経マヒを生じたりすることもあり、注意が必要です。いずれにせよ、早めに医師の治療を受けるようにしましょう。
ここが知りたいQ&A
帯状疱疹にかかったら、どんなことに注意すればよいのでしょうか。
- Q 人にうつしてしまうことはありますか?
- A 帯状疱疹が人にうつることはまれです。ただし、水ぶくれが治るまでは、まだ水ぼうそうにかかっていない赤ちゃんや子ども、妊産婦さんなどには接触しない方がよいでしょう。
- Q 日常生活ではどんなことに注意すればいいですか?
- A 疲れやストレスで抵抗力が落ちていますので、無理をせずに安静にして栄養と睡眠を十分にとることが大切です。帯状疱疹の患部は冷えると痛みが増してきます。できるだけ温めるようにしてください。
- Q どんな治療が有効ですか?
- A 当院では、主にウイルスの活動を抑制する薬を内服、もしくは点滴する方法を行っています。痛み止めの内服や患部の外用薬も併用しています。
- Q 後遺症はありますか?
- A 神経痛などの痛みが残ることがあり、長い方では何年にも及びます。特に、発症年齢が高い方、糖尿病などの基礎疾患がある方、皮疹がひどくなった方、治療の開始までに時間のかかった方などは痛みが残りやすい傾向にあります。できるだけ早く発見し治療を受けることで、後遺症を防ぐ、ないしは小さくする必要があります。
更新:2022.03.08