医療安全管理部って、なにをしているの?
医療安全管理部(医療環境制御センター)

医療上の事故防止と原因究明、再発防止に取り組んでいます
医療上の事故のない病院を目指す医療安全管理部
「医療は安全に行われて当たり前」「医療はうまく行って当たり前」と皆さん、そのように思っている(期待している)と思います。しかし、現実はそうでないこともご存知だと思います。約25年前に心臓の手術を受ける患者さんと肺の手術を受ける患者さんの取り違え事故や、消毒薬を誤って静脈内注射された患者さんが死亡する事故など、大きな医療上の事故が相次いで起きました。これらの医療上の事故を契機に医療安全管理の重要性が認識され、現在、厚生労働省はすべての医療機関において医療安全の確保を義務付けています。
医療安全の目的は患者さんが安全に医療を受けられることであり、医療安全管理は医療プロセスから生じる望ましくない結果や傷害を回避、予防、軽減することです。
そのためには安全を重視した医療を病院スタッフ全員が行い、不幸にも医療上の事故が発生した際には、その原因を究明して、同様な事故が繰り返されることがないように、再発防止を図ることが重要です。
安全な医療の提供のために
医療上の事故に限らず、些細なエラーもすべて医療安全管理部に報告されます。医療上の事故の原因は、多くの場合、病院のシステム(業務・作業手順、ルールなど)の不備にありますので、すべての報告に目を通して、危険の芽を摘むようにしています。また、院内安全パトロールを行い、各部署の医療安全管理の状況を確認し、指導しています(写真1)。

医療上の事故が発生したときは
医療上の事故の原因を究明し、再発防止策を作成します。重大な医療上の事故では、当院と利害関係のない院外の専門家を招き、事故調査を行い、患者さんと家族に説明しています。
医療安全レベルの向上をめざす
事故防止のためには、チームワークが大切ですが、コミュニケーション、リーダーシップ、状況観察、相互支援といったチームワークに不可欠なスキルを確実に発揮できるように、米国で開発されたチームステップス研修会など各種研修会を開催し、職員の医療安全レベルの向上をめざしています(写真2)。

更新:2025.08.05