One Team で行うチーム医療

チーム医療ってなに?

これまでの医療は、主治医が診療のほとんどを行っていました。しかし、医療の進歩によって、新たな治療法・薬・ケアがたくさん生まれています。これらすべてを一人でこなすことは、不可能です。また医学の進歩によって、治療成績も日々向上してきました。病気を治すことだけではなく、一人の人間としていかに質の高い生活を送れるようにするかということも、より重要になってきています。

そこで現代の医療では、医師・看護師・薬剤師・リハビリスタッフなど、さまざまな専門職種が力を結集し、患者さんやご家族と手を取り合いながら病気や生活の改善に向かっていく「、チーム医療」が重要になっています(図1)。

サポートチームってなに?

患者さんは、1つの問題だけを抱えているわけではありません。例えば、がんを患っていたとしても、持病として糖尿病や肺気腫といった慢性疾患を抱えていたり、痛みや息苦しさなどの辛い症状があったり、認知症や床ずれなど生活への支障があったりと、多くの問題を抱えていることもよくあります。病気だけよくなっても、それ以外の問題が悪化して日常生活が送れなくなってしまっては、元も子もありません。

さまざまな問題に対処する専門のチームが、「サポートチーム」です。

緩和ケアチーム

体や心の辛さを和らげて、自分らしい生活を送れるようにサポートします。

褥瘡(じょくそう)対策チーム

病気などで動くことがままならない人に生じる、床ずれの治療や予防を行います。

栄養サポートチーム

患者さんそれぞれの状態に合わせた、適切な栄養管理や食事のサポートを行います。

ほかにも、糖尿病や認知症、呼吸や心のケアに対する専門チームが活動しています。これらのチームが、主治医や看護師とともに、療養生活を全力でサポートしていきます(写真1〜3)。

主治医などが必要と判断した際に、サポートチームを依頼しますが、心配ごとや困りごとがあって相談したい場合は、どうぞお気軽にスタッフへ声をかけてください。また入院時には、困りごとや辛さについて確認する書面がありますので、そちらもご活用ください。

これからの医療

これからの医療は、さらなる進歩を遂げていくことでしょう。今は治すことが難しい病気であっても、より良い治療法が見つかってくるかもしれません。そうなると病気以上に、より良い生活をより長く送れることが大切になってくるでしょう。

また、超高齢社会が待ち構えており、さまざまな病気を抱えた患者さんが増えてくることが予想されます。今以上に専門職間の連携や、新たなサポートチームが必要になると思います。病院全体・医療スタッフ全体で、「OneTeam」で取り組まなければなりません。医療チームセンターは、今後もチーム医療を推進し、病院全体として皆さんの力になれるよう努力していきます。

更新：2024.04.26