がんカフェ

四国がんセンター

緩和ケア内科

愛媛県松山市南梅本町甲

がん哲学外来を愛媛に

がん哲学外来は順天堂大学の樋野興夫教授により提唱され、全国に広がっています。2017年より当院でも「坂の上の雲・暖だんカフェ」として、四国がんセンター版「がんカフェ・がん哲学外来」を毎月開催しています。樋野先生の励ましがあったこともありますが、がん哲学外来の講演に来場する患者さんの要望や、見学に行ったがんカフェの様子を見て、これは愛媛でもぜひ行わなければいけないと思い、開催に踏み切りました。

病気であっても病人ではない

以前、他のがん哲学外来を見学したときのある患者さんの言葉ですが、「がんになり患者会に参加して、『これからは自分のために生きるのよ』と言われ、自分中心にいろいろ試みた。しかし心が次第に萎(しぼ)んでいった。そんなときがんカフェに参加して、『がんになったあなたにしかできないことがある』と言われ、ハッと自分を取り戻すことができた。それからは機会があればいつも参加している」という発言がありました。

お茶でも飲みながら

「暖だんカフェ」では、もともと患者さんへのティーサービスをしていただいているボランティアグループ「ふれ愛」の皆さんが煎(い)れてくれたコーヒーや紅茶を、患者さんやご家族の皆さん、「ふれ愛」の皆さん、医師を含めたスタッフ数人でいただきながら、がんについて、あるいはなんでも今考えていることについて話します。

医師などのスタッフは、樋野先生が講演でいう「馬から下り」「暇げな風貌」で参加します。尋ねられれば医学的な話もしますが、「治療者と患者」という立場を離れて、忙しい臨床の現場とは違った気持ちで話します。臨床仏教師の住職も毎回参加されています。必ず達成しなければいけない目標があるわけではありませんが、医療者が対話に加わることで、診療の場や患者同士のサロンとは違った気づきがあるかもしれません。がん患者さんが活力を取り戻し、「がんになっても安心して暮らせる愛媛」が叶っていくとしたら、こんなにうれしいことはありません。

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写真 ある日のがんカフェの風景

更新:2024.01.25