がん治療中の食事 適切な食事は治療をサポートします
四国がんセンター
栄養管理室
愛媛県松山市南梅本町甲
バランスの良い食事が原則
治療中は、バランスの良い食事を摂取し、栄養状態を良好にしておくことが大切です。バランスの良い食事とは、主食(ご飯、パン、麺類)と主菜(肉、魚、卵、大豆製品)と副菜(野菜、きのこ、いも、海藻類)の揃った食事を指します(図)。十分な食事摂取が、体力を維持し、治療によって傷ついた細胞の再生を助け、感染症にもかかりにくくしてくれます。医師から食事について特別な指示がある場合以外は、無理をせず、体調に合わせて、食べられるものから少しずつ食べることも大切です。
副作用症状で食べにくいときの工夫
しかし、治療中はさまざまな理由で食欲が低下します。
吐き気や嘔吐(おうと)のあるとき
においや味、見た目が誘因になります。材料、組合せ、盛付、量にも配慮することが必要です。①においの少ないものを選ぶ、②汁物をつける、③果物をつける、④漬物など箸休めを添える、といった工夫で食べやすく感じられるようです。
口内炎や食道炎のひどいとき
味付けの濃いもの(酸味、塩味、甘味、苦味)、刺激の強いもの、冷たすぎるもの、熱いもの、硬いもの、水気の少ない料理などを避けます。「だし汁」のみで調理する方法も1つです。マヨネーズや味噌は比較的刺激が少ないようです。
味覚異常があるとき
味覚が鈍くなっているときは素材の味を生かしたり、酸味や香辛料を効かせたりします。一般に和食より洋食が食べやすいようです。
味覚が過敏になっているときは、素材の味を生かすシンプルな味付けにします。水分の多い料理のほうが食べやすいようです。
かむこと・飲み込むことが困難なとき
食材はやわらかく、のど越しのよいものを選びます。水分はある程度含んでいるほうが摂取しやすいようです。むせないように、ゆっくり少量ずつ食べましょう。むせてしまうときには、とろみをつけたり、ゼリー状にしたりします。
更新:2024.10.18