ストーマと共に生きる ストーマを造った患者さんが自分らしく生きるサポート

四国がんセンター

看護部

愛媛県松山市南梅本町甲

ストーマとは一般的に人工肛門と呼ばれています

普段、私たちは便意・尿意を感じ、トイレまで我慢し、落ち着いた環境で便や尿を排泄します。しかし、がん患者さんでは、直腸がんや膀胱がん、その他のがんなどが原因でストーマを造ることがあります。ストーマとは自身の腸や尿管を使って、お腹(なか)の表面に造る便や尿の新しい出口のことです。一般的には人工肛門と呼ぶことがあります。

ストーマを造った患者さんは、便意・尿意がないため、無意識にストーマから便や尿が排泄されます。そのため、ストーマを造った患者さんはお腹に常に袋を貼って、溜(た)まった便や尿を定期的にトイレで捨てる必要があります。

ストーマとの生活

ストーマとは私たちにとっての〝おしり〞と一緒です。そのため、ストーマを人に見られたり、人前でストーマについて話すことには羞恥心(しゅうちしん)を伴います。また、服を着てしまうと見た目には分かりません。そのため、見た目だけで同じようなストーマを持ち、相談できる相手を見つけることは困難です。

当院には患者さんのストーマに関するトラブルはもちろん、ストーマに関する不安や悩みをゆっくり医療者に相談できる場所として、ストーマ外来があります。ストーマ外来を受診される患者さんは、入浴や旅行、スポーツなど手術前と同じように行えるか悩みを抱え、相談に来られます。また、最近経験した西日本豪雨では、ストーマケアを行うための水や場所の確保、トイレの確保、必要物品の水没などの問題がありました。この経験から、近い将来発生するともいわれている南海トラフ地震にも備えていく必要があります。このように、多くの不安や悩みを持ったストーマを造った患者さんが自分らしい生活を送れるよう、地域のストーマ外来が相談窓口となってサポートしています。悩まれている方は、ぜひ相談してください。

写真・イラスト
【ストーマ外来】個室でゆっくりお話ししながらストーマケアを行います

更新:2024.01.25