薬物依存症

肥前精神医療センター

精神科

佐賀県神埼郡吉野ヶ里町三津

薬物依存症

どんな病気?

薬物依存とは薬物のコントロールを失ってしまう状態をいいます。“分かってはいるけれど、自力でやめることができない”そんな状態です。薬物と聞いて真っ先に違法薬物を思い浮かべるかもしれませんが、近年は違法でない薬物(市販薬や処方薬)の方が臨床上問題となることが多いです。誰にも頼ることができず、自力でなんとかしようと、薬物をドーピングのように使って頑張っていたら、いつのまにか薬物依存となってしまうことが典型的な経過です。快楽に溺れた人、根性が足りない人といったイメージは誤りで、治療が必要な脳の病気です。

症状

薬物が生活の中心になってしまう病気です

依存性がある薬物には、大麻、オピオイド(ヘロインやモルヒネなど)、コカイン、覚せい剤、有機溶剤(シンナーなど)、睡眠薬や抗不安薬などがあります。これらは脳内報酬系という場所に作用することで、気持ちよさを与えてくれます。リラックスして気分を落ち着かせることができたり、憂うつな気分を改善させ元気を出すことができたり、嫌なことを一時的に忘れさせたりと、自身にとってメリットがあると感じてしまえば、またその薬物が欲しくなります。この欲しいという気持ちを渇望といいます。この渇望は自身で抑えることが難しいくらいに強烈なものです。薬物を使うことはメリットだけではなく、デメリットも大きいものです。次第に仕事や学校に行けなくなるなど生活に支障を来します(社会的な障害)。薬物が生活の中心になってしまうのです。

検査・診断

薬物の使い方を問診で確認します

問診で薬物の使い方について確認し、コントロールを失っているかどうかを判断します。渇望の存在や、社会的な障害について評価していきます。脳、肝臓や腎臓といった臓器の障害を調べるために血液検査や頭部MRI検査を補助的に行うこともあります。

治療と経過

薬物ではない依存先を増やすこと

やめたくてもやめられない状態になってしまうと、薬物のコントロールを取り戻すことは難しく、基本的には断薬を目指します。薬物の種類によってはやめ方に工夫が必要なことがあります。まずは、医療機関などに相談しましょう。どうしてその薬物が自身に必要だったのか、どんなメリットを与えてくれたのか、治療者と一緒に考えましょう。それを誰かと一緒に解決していくことが断薬の大きな流れです、通院や自助グループへの参加、治療プログラムへの参加などを通して、薬物ではない依存先を増やすことが必要です。

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よくある質問

違法でない薬物なら大丈夫ですか?

近年医療機関を受診する薬物依存症の方の対象薬物は、処方薬や市販薬などの違法でない薬物が半分程度を占めています。いい薬と悪い薬で分けることは危険です。いい使い方なのか悪い使い方なのかを考えてみてください。悪い使い方をしているということは困っているということです。困っているのであれば、医療機関などに相談してください。

違法薬物の使用について通報しますか?

使用することは依存の症状の一つとして考えます。医療者には守秘義務もあり、病気の症状である再使用について通報することは原則ありません。再使用があればすぐに医療者に相談してほしいです。対応を一緒に考えたいと思います。ただ、医療の場を安全に保つために、売買や譲渡はおやめください。そういう事実が分かれば通報すること、治療をお断りすることもあります。

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症状をCHECK
※症状は人によりさまざまです

  • □ 薬物を使うことがストレス発散になっている
  • □ 薬物がないと生活するのが難しい
  • □ 誰にも頼ることができない
  • □ 薬物をやめたいと思っている
  • □ 薬物を使った結果、生活に支障がおきている
  • □ 薬物以外の楽しさが分からない

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更新:2026.08.14