心臓突然死とICD治療について教えてください

循環器内科 心臓血管外科

突然死の原因には何があるの?

突然死とは、一般に意識がなくなってから1時間以内に起こる内因性(生体内のさまざまな要因で病気を発症すること)の死亡と定義されます。総務省消防庁からの報告によると、国内において心肺停止で救急搬送される患者さんの6割以上が心臓の病気が原因であるとされています。

突然死の原因となる心疾患として、心臓に酸素や栄養を送っている血管(冠動脈)が詰まることで発症する虚血性心疾患(きょけつせいしんしっかん)、心臓の筋肉の異常により心臓の機能が低下する心筋症、致死性(死に至る可能性のある)の不整脈などが重要なものとして挙げられます。

心臓突然死は予防できるの?

定期検診での異常、胸痛・動悸(どうき)や失神などの症状から医療機関を受診したことを契機に心疾患が発見され、心臓突然死の予防につながる場合があります。医療機関では診察や血液検査、心電図、胸部X線写真などの一般的な検査のほか、心エコー、運動負荷心電図、ホルター心電図(24時間の心電図を記録する検査)、心臓カテーテル検査などの追加精査を、必要に応じて実施します。

心疾患の種類にかかわらず、不整脈による突然死を予防する最も有効で確立された治療法の1つに、植込み型除細動器(ICD)があります(図)。ICDは、体内に植込んで心臓の動きを常に監視し、致死性の不整脈を感知すると治療を行う装置です。

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図 植込み型除細動器(ICD)
左胸の皮膚の下にICDの本体が植込まれることが多く、リード線は肩の静脈(腋窩静脈、鎖骨下静脈)を通って心臓の中に固定されます

ICD植込み手術にかかる時間は平均2時間程度です。最初に局所麻酔を左の鎖骨の下の皮膚に行います(場合によっては右側に行うこともあります)。次にICD本体を挿入するポケットを、麻酔を行った部位の皮下に作成します。左鎖骨の下の静脈に注射してリードを1~2本挿入し、右心室(うしんしつ)や右心房(うしんぼう)に固定します。また、リードは胸の筋肉にも固定します。リードが固定できればICD本体と接続しポケットの中に入れ、切開した傷を縫って終了です。

ICDにより治療が必要であると判断された場合、検出した不整脈の種類や速さによって、ペーシング(電気刺激)や電気ショックなどの治療が段階的に行われます。

ICDは作動の状況により異なりますが、5~7年程度で電池交換の時期となります。通常、ICD本体だけの交換を行い、リードはそのまま使用します。

更新:2022.03.29