電気けいれん療法(ECT):重症な精神病症状に強い効果

肥前精神医療センター

精神科

佐賀県神埼郡吉野ヶ里町三津

電気けいれん療法(ECT):重症な精神病症状に強い効果

麻酔をかけて眠った状態で、頭皮上の電極から脳に電気を流す治療です。重症の精神病症状などに非常に強力な効果を発揮する"切り札"的な治療です。

脳に電気を流すことで脳の機能が回復

頭皮上から脳に対して刺激を行い脳の機能を回復させる治療をニューロモデュレーションといいます。電気けいれん療法(ECT)はニューロモデュレーションのひとつで、強力な精神症状改善効果があり、重篤な精神症状の治療法として"切り札"ともいえる存在です。

ECTの治療において、脳に電気が到達すると独特な脳波変化が起きます。(図1)。この脳波変化が治療効果につながります。ただ、このような脳波変化は治療効果につながる一方、全身けいれんを起こしかねません。そのため、静脈に麻酔薬を注入し眠った状態になった後に、筋弛緩薬という筋肉を緩める薬を注入します。そうすると全身けいれんは出現しないのです。電気"けいれん"療法という名称になっていますが、実際にはけいれんは起きません。患者さんは眠っている間に治療は終了します。ECTは専用の治療室で、精神科医と麻酔科医の協働で行われます(図2)。

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図1:電気けいれん療法(ECT)とは?
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図2:ECTの治療風景
精神科と麻酔科の協働で行うチーム医療

いろいろな精神疾患による病態に対して効果を発揮

ECTは、うつ病、双極性感情障害(躁うつ病)によるうつ状態・躁状態や妄想、統合失調症による幻覚・妄想、カタトニアと呼ばれる重篤な状態などの精神疾患に対して効果を発揮します。これらの精神疾患では、向精神薬による薬物療法を行うことが一般的ですが、早急な改善が求められるときは、薬物療法よりもECTを優先して行います。
種々の脳炎・髄膜(ずいまく)炎、パーキンソン病などに伴う気分の障害(うつ状態など)や幻覚・妄想に対しても、基礎疾患に対する治療をしてからECTを行うこともあります。また、認知症の中ではレビー小体型認知症に伴う気分の障害や幻覚・妄想に対しても行われることがあります。

更新:2026.08.14