医療安全管理室の役割ー医療の安全確保のために

平塚市民病院

医療安全管理室

神奈川県平塚市南原

安全な医療を受けられる環境を目指して

当院は、湘南西部医療圏の地域中核病院として、高度急性期医療を担っています。医療の高度化・複雑化に伴い、医療現場では、高度な医療を安全に提供することが求められています。その中で、安全で質の高い医療を提供するための組織的な安全体制を確保し、安全な医療を受けられる環境の整備を目的として、医療安全管理室は設置されました。

当院の医療安全管理は、副病院長を医療安全管理部長とし、専従の医療安全管理者を中心に診療部(医師)、薬剤部、看護部、医療技術部(臨床工学科・放射線技術科・臨床検査科・リハビリテーション科)、事務部門(栄養科を含む)の医療安全推進者とともに医療安全推進活動を行っています。

医療安全管理室の積極的な活動

具体的な活動として、医療上の小さなミス(ヒヤリハット=インシデント)を報告する制度を設け、その事例に基づいて医療事故(アクシデント)を未然に防ぐ対策の提示や、大きな事故に結びつく可能性のあるミス(重大インシデント)を通して、ミスの再発防止策の立案、医療事故時の初期対応などに努めています。

2016年度のヒヤリハットは2568件報告されています。そのうちの102件はレベル0(患者さんには実施されなかった)報告です。ヒヤリハット報告からの再発防止策提示の1例としては、薬剤使用前の準備段階での患者誤認を防ぐため、注射指示と薬剤を医療者の目視による事前確認だけでなく、電子カルテ照合媒体を用いて照合する「システム照合」も同時に行うようマニュアルを変更しました。

当院では、各部署にセーフティマネージャーとセーフティスタッフを配置し、医療安全対策の実施、安全推進活動の定着化を図っています。また、日常の診療や療養の場で発生した課題に対して、各部署と医療安全管理室が協力して問題解決に取り組んでいます。さらに、安全ラウンド(巡回)を実施し、安全対策の周知や患者誤認防止のための予防策の実施状況を確認しています。院内全体の安全意識の向上を図るために、全職員に対して定期的に医療安全研修を開催しています。

このような活動を通して、病院の安全管理体制が効果的に機能し、患者さんに安全で安心な医療を提供できるよう、医療安全管理室は積極的に活動しています。

更新:2024.10.21