臨床検査科/輸血管理室の業務

済生会吹田病院

中央技術部

大阪府吹田市川園町

臨床検査科の特色について

当科は、科長、技師長、係長を含む医師、臨床検査技師、事務員で構成され、検体検査グループ(採血センター・生化学免疫検査室・血液検査室)、微生物検査グループ(微生物検査室・一般検査室)、病理検査グループ、輸血管理室に加え、生理検査室の8部署から成り立っています。

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図1 生化学検査は血液や尿に含まれているさまざまな化学物質を分析する検査です。当院では約60項目を測定しています

医療の専門化が進む中、臨床検査の分野も同様に各種学会の認定する専門技師制度が広まっています。当科においても超音波検査士、細胞検査士、認定微生物検査技師、認定検査血液技師、糖尿病療法指導士、栄養サポート専門療法士、認定一般検査技師、二級臨床検査士、緊急臨床検査士、精度保証管理検査技師をそれぞれ取得し各分野で活躍しています。

臨床に即した検査をめざすべく、検体検査グループは3交替制を導入し、早出勤務者は機器のメンテナンス・精度管理を実施し、病棟検体および外来採血検体(8時15分採血開始)を回診前・診察前に検査を行い、結果報告しています。生理検査部門についても早朝予約検査として、腹部超音波検査、心臓超音波検査を行い外来診察前に結果を報告しています。臨床検査科・輸血管理室は、24時間365日、臨床検査技師が常勤、緊急検査に対応しています。また、チーム医療として、糖尿病教室、栄養サポートおよび感染制御チームへも検査結果を抽出、情報提供を積極的に行っています。

精度の高い信頼できるデータを提供するため、精度管理業務も重要課題と考え、各部署が日常の内部精度管理に加え、日本医師会、日本臨床検査技師会および大阪府臨床検査技師会などの主催する外部精度管理に積極的に受審し、高い精度・基準の維持に努めるとともに、新しい技術や知識を習得し、充分な臨床支援ができるよう学会や研修会などに積極的に参加しています。今後もスキルアップを図り、信頼できる検査値を提供できるように日々努力していきます。

輸血管理室が担う輸血関連業務

輸血とは、血液中の赤血球などの細胞成分や凝固因子などの蛋白(たんぱく)成分が量的に減少、または機能的に低下したときに、ほかの薬剤では臨床症状の改善が困難な場合に行うものです。このときに使用する血液製剤は、すべて献血で採取された血液によって作られています。そのため、限られた資源を有効活用するために全国的に適正輸血の推進が求められており、当院でも積極的に取り組んでいます。

輸血管理室では主に、血液型や不規則抗体などの検査を行い、その製剤が患者さんに適合するかを検査しています。それ以外にも製剤の適正な保管管理・輸血による感染症や副作用の把握なども行っています。

血液製剤は人の血液から作られていますので、昔に比べると輸血による感染症は非常にまれになりましたがゼロではありません。輸血による合併症・副作用の有無を確認するために、輸血前後の感染症検査の実施推進も行っています。輸血3か月以降の受診の際、担当医から肝炎ウイルスやHIVウイルスなどの検査説明がありましたら、ご協力をお願いしています。

また、安全な輸血を実施するために、当院では輸血管理システム・患者認証システム・全自動輸血検査装置を2009年から導入し、他施設より早い段階からバーコード管理を行い、輸血製剤間違いや患者間違いの防止に努めてきました。今後も患者さんに安全で有効な輸血を迅速に提供できるよう努めます。

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図2 この機械は、輸血に必要な血液型や抗体スクリーニングや交差試験などの検査を行う全自動輸血検査装置です

更新:2024.08.22