心的外傷後ストレス障害(PTSD)

肥前精神医療センター

精神科

佐賀県神埼郡吉野ヶ里町三津

心的外傷後ストレス障害(PTSD)

どんな病気?

「心的外傷」とは「トラウマ」を指し、近年よく使われる言葉です。トラウマとは、自然災害や事故、暴力、レイプ、いじめなど、本人にとって非常に圧倒される体験のことです。これらの体験は最近のものでも、だいぶ前のものでもあり得ます。夜に眠れなかったり、悪夢を見たりすることが多いです。また、常に安心できず、小さな音に驚いたりイライラしたりすることもあります。過去の嫌な記憶が思い出されることもあります。

症状

再体験や、脅威感、回避、認知の変化など

トラウマとは、本人にとって非常に恐ろしく圧倒される体験を指します。これは本人自身の体験だけでなく、身近な人が体験した場合や目撃したことなども含まれます。最近の出来事やだいぶ前の出来事が原因となることもあります。

再体験としては、過去の嫌な記憶が意図せずによみがえったり、過去の体験が生々しく再現されることがあり、これをフラッシュバックと言います。感覚や感情が当時のまま感じられることがあり、現実感が薄れることもあります。悪夢として再現されることもあります。

脅威感(過剰な緊張)は、危機的な状況では自然な反応ですが、PTSDでは危機が去ったのちも警戒状態が続きます。これにより、眠れない、ちょっとした音に驚く、イライラするなどの症状が続き、集中力も低下することがあります。

回避行動としては、トラウマを思い出させるものを避けようとする反応があり、生活範囲が狭くなり、社会的な接触を避けることがあります。

感情や認知の変化も見られます。世界が危険に満ちているように感じたり、人を信頼できなくなることがあります。気分が沈んだり、興味や意欲が低下し、感情がマヒすることもあります。現実感が無くなり、自分の行動が他人のことのように感じられることもあります。

検査・診断

問診、面接と検査をもとに診断

生活状況やストレスの出来事、その後の調子の変化について無理のない範囲で話を伺い、症状と重さを面接で評価します。身体疾患の関連がないかどうかを確認するために、必要時には採血や心電図などの検査を行い、総合的に診断します。

治療と経過

安定化が第一。その中でトラウマ記憶処理、統合へ

トラウマに対処するためには、まず心身の状態を安定させることが重要です。安心感を感じられる瞬間や時間を見つけ、生活の中に取り入れることで、心身の安定を図ります。比較的安定する時や活動、サポートしてくれる人や機関をリストアップし、どのようなものが自分にとって心地よいかを特定することが大切です。趣味やリラクゼーション法、体を動かす活動などを通じて、心身のバランスを整えます。

図

PTSDの症状には自律神経の調整不全が関わっているため、規則正しい生活リズムの確立が重要です。規則的な睡眠、日光浴、食事、適度な運動を心がけることで、自律神経を整え、症状を和らげます。カフェインやアルコールの摂取を控えることも有効です。

心身が安定したら、トラウマ記憶の処理と生活への統合を進めます。心理療法にはさまざまなものがあり、場所により提供される心理療法は異なります。保険適用内外のカウンセリングや自由診療の情報は、インターネットや書籍で調べることができます。専門家と相談しながら、自分に合いそうな治療方法を選んでいくことが大切です。

よくある質問

PTSDは治るのでしょうか?

トラウマの強度や頻度や時期、環境などにより、経過や、治るまでにかかる時間はさまざまですが、信頼できる専門家とつながり相談を続けていく中で、回復に向かって進んでいくことはできると思います。

症状をCHECK
※症状は人によりさまざまです

  • □ そのことを思い出すと、そのときの気持ちがぶり返してくる
  • □ 睡眠の途中で目が覚めてしまう
  • □ 別のことをしていても、そのことが頭から離れない
  • □ イライラして、怒りっぽくなっている
  • □ そのことについて考えたり思い出す時は、何とか気を落ち着かせるようにしている
  • □ 考えるつもりはないのに、そのことを考えてしまうことがある
  • □ そのことを思い出せるものには近よらない
  • □ 神経が敏感になっていて、ちょっとしたことでドキッとしてしまう
  • □ その時の場面が、いきなり頭に浮かんでくる
  • □ そのことは考えないようにしている

更新:2026.08.14