患者さんの病状に合った、最適な血液浄化療法を提供
富山大学附属病院
透析部
富山県富山市杉谷
血液浄化療法、血液透析とは
血液浄化療法とは、血液から不要あるいは有毒な物質を除去することを目的とする体外循環治療です。
血液浄化療法には、末期腎不全(じんふぜん)に対する血液透析をはじめ、重症敗血症(じゅうしょうはいけつしょう)や循環器系合併症を有する急性腎不全に対する持続的血液濾過透析、自己免疫疾患や肝不全に対する血漿(けっしょう)交換療法、難治性ネフローゼ症候群や閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)に対するLDLアフェレーシスなどの治療法があります。
血液透析は、血液を体外に取り出し、透析器を介して、腎不全患者さんで貯留する余分な水分や老廃物を取り除き、きれいになった血液を再び体内に戻す治療法です。1週間に2~3回、1回に約4時間かけて治療します。透析患者数は増加の一途をたどり、現在は33万人を超えています。また、透析導入年齢の高齢化とともに長期透析例も増えてきており、心血管疾患や骨関節疾患等の合併症を多く有する患者さんが増加しています。
当院透析部の診療内容
当院透析部では、末期腎不全の患者さんに対する血液透析の導入や、合併症で入院中の透析管理を行っています。また、血液透析以外の血液浄化療法全般を担当しています。透析や腎移植についての患者さんと家族への説明・相談や、腹膜透析患者さんの腹膜機能検査も行っています。
当院では、病状が安定しない、あるいは周術期管理が必要となる患者さんが多いため、安全かつ適切に血液浄化療法を行うことを第一に考えています。そのため、症例カンファレンスを毎週実施し、依頼科主治医と協議して治療方針を決定しています。また、透析療法および合併症に伴う身体的・精神的負担に配慮し、精神的ケアに留意しています。
持続的血液濾過透析について
持続的血液濾過透析とは、重症敗血症に伴い増加する炎症促進因子の除去、および重症心不全や心臓手術後の不安定な循環動態下で、透析が必要な急性腎不全患者さんに対して24時間持続的に行う血液浄化療法です。
通常の血液透析よりも体外循環する時間当たりの血液量が少なく、血圧低下が起こりにくくなります。近年、当院では重症心不全患者さんの増加に伴い、持続的血液濾過透析の件数が増加しています。
更新:2022.03.08