より質の高い医療を提供するために-看護師特定行為

富山大学附属病院

看護師特定行為研修センター

富山県富山市杉谷

看護師特定行為研修センターの開設

当院では、「特定行為」を行える看護師を養成するため「看護師特定行為研修センター」を開設し、2019年から「特定行為研修」を行っています。

特定行為とは

2025年にわが国の65歳以上の高齢者人口の割合は、30%を超すことが予想され、病院や自宅などで医療を受ける方の数も増えていきます。一方で、1人の医師がかかわることのできる患者の数や時間には限界があります。そこで、医行為の一部を「特定行為」として看護師が行い、より適切なタイミングで患者さんへ医療を提供していくために特定行為研修制度が誕生しました。国は、この「特定行為」ができる看護師の養成を推奨していますが、全国的に少ない状況にあり、富山県においても早急に数を増やす必要があります。

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研修指導医師と胸部エックス線画像の学習

当院では、以下の内容について10か月かけ研修生を育成しています。

人工呼吸に関連すること
「患者さんの状態に合わせた人工呼吸器の設定変更」など
循環に関連すること
血圧や尿量に関する点滴の調整」など
栄養や水分に関連すること
「栄養や脱水に関する点滴の調整」など

(2019 年度の場合)

皆さまのお役に立てること

研修を修了した看護師は、手順書をもとに、医行為の一部を行うことができます。例えば、医師がその場に不在であっても医師と事前の打ち合わせを行い、手順書にもとづいて患者さんへの処置などが早急にできるようになります。

これは、学習を積み重ね、日頃から患者さんに寄り添う時間が長い看護師だからこそできる行為です。今後もこのような知識と技術を持った看護師が増え、より質の高い医療が提供できることを目指していきます。

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研修生のグループ学習

看護師特定行為は、診療の補助として38の医行為を看護師が行うものです。当院では、そのうち12行為が修得できるコースを開講しており(2019年時点)、院外からも広く研修生を受け入れています。研修では、数百時間に及ぶ講義や演習を受け、最終的に臨地実習を行い、医学的知識や技術の修得に励みます。

更新:2022.03.08