高度な技術を駆使する高精度放射線治療

最新の放射線治療、SRT・SBRT・VMAT（IMRT）・IGRT

放射線治療センターでは、がん治療に最新の放射線治療機２台（TrueBeam STx（トゥルービームエスティーエックス）とClinac iX（クリナックアイエックス）、写真１）を使用して高精度放射線治療（こうせいどほうしゃせんちりょう）を行っています。定位放射線治療（ていいほうしゃせんちりょう）（SRT（エスアールティー）、ピンポイント照射）、体幹部定位放射線治療（たいかんぶていいほうしゃせんちりょう）（SBRT（エスビーアールティー））、強度変調放射線治療（キョウドヘンチョウホウシャセンチリョウ）りょう（IMRT（アイエムアールティー）、自由自在な形に放射線を当てる）、画像誘導放射線治療（がぞうゆうどうほうしゃせんちりょう）りょう（IGRT（アイジーアールティー）、画像撮影による正確な位置合わせ）という高度な技術を駆使することにより、がんをねらいうちします。体の負担は少なく、腫瘍を消滅させることが期待できます。

当院で行っているIMRTは、強度変調回転照射（VMAT（ヴイマット））と呼ばれます。患者さんの周りを機械が回転しながら放射線を細かく調節しつつ、正確に短時間で照射します。従来のIMRTより周囲の正常組織への影響をさらに抑えた治療ができます。

高精度放射線治療の例

当院では脳腫瘍のSRT（写真２）・VMAT治療（写真３）、頭頸部（とうけいぶ）がんのVMAT治療、肺がん（写真４）・肝がんのIGRTを用いたSBRT治療、前立腺がんのVMAT治療（写真５）などを安全に、多数行っています。

放射線治療は、がん治療の柱の１つ

以前は、放射線治療は手術ができない末期がんの患者さんに行うもの、というイメージがありました。しかし最近では、手術と同じように、初期のがんを高精度放射線治療により治すこともできます。また、抗がん剤と組み合わせて、高い効果をねらうこともあります。

再発したときにも、放射線をうまく使って、がんの痛みを和らげたり、がんを縮めて周囲の内臓の圧迫を減らしたりできますし、副作用が少なく高い効果が得られる場合もあります。

放射線治療の専門スタッフが協力

放射線治療専門医師、医学物理士、放射線治療品質管理士、放射線治療専門放射線技師など、専門のスタッフ（写真６）が協力して、患者さんの状態に合わせて高精度放射線治療を行います。

更新：2024.10.04