不妊症の検査と治療のタイミング
浜松医科大学医学部附属病院
産科婦人科
静岡県浜松市東区半田山
不妊症とは?
不妊症とは、妊娠を希望して夫婦生活をしても、約1年間妊娠しない場合をいいます。子宮・卵巣の病気があると妊娠しにくいことがありますので、1年経っていなくても、検査や治療を始めましょう。
女性は、年齢が上がると妊娠しにくくなります(図1)。年齢が上がるほど、治療の成果も出にくくなりますので、特に35歳以上の方は、すぐに治療を始めることを検討しましょう。
不妊症の原因と検査
不妊症のカップルの割合は、5~10組当たり1組程度です。男性が不妊の原因を持っている割合は48%、女性が不妊の原因を持っている割合は65%です。妊娠を希望する場合、男性も女性も検査を受けましょう(図2)。
男性は、精液検査(精子の数、運動などをみます)を受けます。女性は、超音波検査、子宮卵管造影(しきゅうらんかんぞうえい)(子宮の形態異常や、卵管の閉塞(へいそく)〈詰まること〉や狭窄(きょうさく)〈細くなること〉がないか)、血液検査(卵巣の機能が良いかなど)、性交後試験(性交渉の後に、頸管粘液(けいかんねんえき)中の精子を観察)などを受けます。
不妊症の治療
検査結果に異常がなければ、タイミング法(超音波検査で妊娠しやすい日を予測する方法)から始めます。
検査の結果に異常がある場合や、結果に異常がなくても、これまでの経過や年齢から必要と判断した場合には、人工授精(じんこうじゅせい)(妊娠しやすい日に精子を子宮の中に送りとどける方法)や、生殖補助医療(精子と卵子を体の外に取り出して受精させる方法)を勧めることがあります。
子宮や卵巣に異常がある場合には、不妊治療を始める前に、手術を勧めることがあります。男性には、必要に応じて泌尿器科を紹介します。
更新:2023.10.26