がん相談支援センター あなたの治療と暮らしをサポート!
四国がんセンター
患者・家族総合支援センター がん相談支援センター
愛媛県松山市南梅本町甲
がん相談支援センターはこんなところ
「もしかしたら、がんかもしれない」「検査の結果、がんでした」などと聞いたら、誰でも頭の中はパニックで真っ白になってしまいますよね。「これから先、どうなるんだろう」と正しい情報や知識がないために起こる不安は大きく、その不安を1人で抱え込んでしまうこともあります。
また、がんは治療が長くかかる場合もある病気です。仕事やお金、子育て、介護などの悩みを抱えながら治療を続けることも少なくありません。
「がん相談支援センター」には、看護師や医療ソーシャルワーカーが、がんの専門相談員として配置され、対面や電話でさまざまな相談をすることができます(図)。不安や心配は1つではなく複雑に絡み合っています。考えがまとまっていなくても大丈夫です。一緒に整理して考えていきましょう。また、患者さんを支える家族や身近な方の相談もお受けしています(写真)。
厚生労働省の「がん診療連携拠点病院に関する指針」で、がん相談支援センターの役割としてあげられていることのうち、代表的なものは次の通りです。
- がんに関する一般的な情報の提供
- 連携する地域の医療機関に関する情報を提供
- セカンドオピニオンについての相談、情報提供
- がん患者の療養上の相談や就労に関する相談
- がんサポートグループ活動や患者サロンの定期開催等に対する支援
- がんゲノム医療、希少がんに関する相談
- AYA世代のがん患者に対する治療、療養や就学、就労支援に関する相談
- がん治療に伴う生殖機能の影響や、生殖機能の温存に関する相談
どなたでも相談できます!
がん相談支援センターは、当院の患者さんでなくても、どなたでも相談できます。また、匿名でも構いません。相談料は無料です。相談の内容によって、医師や専門看護師、臨床心理士、薬剤師、栄養士、リハビリの療法士等の専門家による相談対応ができるように体制を整えています。当院では、平日8時30分から17時15分まで相談可能です。
愛媛県がん情報提供ページ「がんサポートサイトえひめ」のインターネットサイトでは、これから病気に向き合う方のために、愛媛県内の病院ごとの症例数、治療やサポートの体制などのデータを紹介しています。愛媛県がん診療連携協議会が集めた情報ですので、信頼性のあるものです。皆さんが納得して病院や治療を選ぶための参考に役立ててください。
国立がん研究センターがん対策情報センターのホームページには、「がん情報サービス」で、患者さん向けのさまざまな情報が掲載されています。また「病院を探す」からは、お近くの「がん相談支援センター」を探すことができます。参考にご活用ください。
患者さんや家族の皆さんからよくある相談
診断から治療、療養生活全般にわたってがんに関するさまざまな相談をお受けしています。
がん検診や治療のこと
- 検診後、再検査の通知が届きました。予約はできますか?
- 検査ができる近くの病院はありますか?
- 他院の先生の意見(セカンドオピニオン)も聞いてみたいのですが、手続きは必要ですか?
こころのこと
- 不安で夜眠れません、涙が出てきます
- がんと告知されましたが、先生の話が全く頭に残っていません
- 自分の疑問や希望を誰にどう伝えればよいのか分かりません
お金のこと
- 医療費はいくらかかりますか?
- 活用できる制度はありますか?
- 会社を休職中です。医療費の出費が続いて、これからの生活が心配です
緩和ケアのこと
- 緩和ケア病棟に入院したいのですが、ずっと診てもらえますか?
- 外来通院でも診てくれますか?
家族のこと
- 育児や家事・介護をしていますが、頼れる人が近くにいません
- 子どもへ病気のことを伝えるかどうか迷っています
会社やご近所づきあいのこと
- 病気について知られたくありません
- 仕事の休み方、会社へ提出する診断書についてどうすればいいか分かりません
外見への影響のこと
- 抗がん剤で髪が抜けますか?
- メイクやウィッグで外見の変化をカバーできますか?
身の回りのサポートについて
- 自宅に来てくれる先生や看護師さんはいますか?
- 介護保険サービスはどうすれば受けられますか?
など、さまざまな相談があります。どこに相談したらいいのか分からない場合も遠慮なく相談してください。
医療費や生活費の不安についても相談に対応します
がんの治療にかかる費用は、高額になることもあります。貯蓄やがん保険を頼りに家計のやりくりを計画できればよいのですが、まずは公的な制度を知って活用しましょう。ただし、ちょっと複雑です。分からないときには、私たちに相談してください。
参考までに公的な制度でよく活用されるのは、医療保険の「高額療養費制度」です。病院や保険薬局などの窓口で支払った金額が、1か月間(1日から月末まで)で、一定額の自己負担限度額を超えたときに、その超えた金額が支給される制度です。なお、事前に「限度額適用認定証」の交付を受け、医療機関等の窓口に提示しておくことで、窓口での支払いを自己負担限度額までにとどめることができます。病院(入院、外来)、保険薬局でも利用できます。入院中の部屋代や食事代などは対象外です。
ほかにも療養生活に役立つ、いろいろな社会保障制度(身体障害者手帳、石綿による疾病の労災保険給付、健康保険傷病手当金、雇用保険、障害年金、生活保護など)があります。あなたに役立つ制度に何があるのか、早めに相談してください。
子育て、介護に役立つ支援や制度って?
幼いお子さんや学校へ通う子どもさん、また介護を要する状態の家族がいる患者さんは、病院での「検査」「診察」「治療」等に時間がかかるため、誰かの協力を得る必要が多くあります。
家族や友人、近隣の方の協力が難しい場合は、公的なサービス等を利用することもできます。
子どもさんの支援としては、市や町のファミリーサポートセンターや保育サービスの「一時預かり」があります。行政やNPO法人などが担う地域子育て支援拠点の利用者支援専門員が地域の子育て支援をサポートしています。お住まいの地域での制度や窓口についてもがん相談支援センターで案内できます。
また、当院では臨床心理士を中心に、子育て世代の患者さんや子どもさんへのサポート(チャイルドケア)を行っています。患者・家族総合支援センター〝暖だん〞のキッズコーナーや授乳室も利用でき、小さなお子さんのストレスを少しでも和らげる環境を提供しています。
介護が必要になったときには、有料のヘルパー、公的介護保険のヘルパー、訪問看護・施設入所などのサービスを利用することができます。公的介護保険制度の対象者は、65歳以上の介護が必要な方と40歳から64歳までのがん患者さんで治療が難しくなり、介護が必要になった方です。介護保険のサービスを利用するためには、まず、患者さんがお住まいの市町村の介護保険担当窓口で要介護認定申請を行う必要があります。窓口に出向くのが難しい場合は、お住まいの地域の地域包括支援センター等に申請を代行してもらうこともできます。
当院では、退院支援や在宅調整の担当者がケアマネージャー等と連携しています。はじめは、よく分からないと思いますので、がん相談支援センターへ相談してください。皆さんのご希望を伺いながら上手に制度の活用ができるようにお手伝いします。
更新:2024.10.18