がん登録について 将来のがん患者さんのために役立つがん情報を

四国がんセンター

がん予防・疫学研究部 

愛媛県松山市南梅本町甲

国や地域で優先させるべき医療政策の判断に役立てます

国立がん研究センターによると、国内で2018年の1年間にがんにかかった人は101万3600例と予測されています。このがんにかかる人の数を数える仕組みが「全国がん登録」です。

2016年にがん登録等の推進に関する法律が施行され、がんと診断された人の情報(がんの種類や進行度、発見経緯、治療内容など)が、全国の病院および診療所から国へ集められる仕組みが開始されています。

集められた情報を国や地域間で比較し、どの地域でがんにかかる人が多いのか、どの種類のがんが多いのか、がんが見つかったときの進行度、その予後などの実態を把握することができます。国や地域で優先させるべき医療政策を判断し、その評価が可能となります。また、がん検診の精度評価にも活用されます。

全国の登録と、地域の病院単位の登録、それぞれ有用です

「全国がん登録」に加え、全国のがん診療連携拠点病院などでは「院内がん登録」が実施されています。「全国がん登録」が国や地域単位で情報を整理するのに対し、「院内がん登録」は病院単位で情報がまとめられます。各施設の臓器別の症例数・治療件数・治療成績など、「全国がん登録」よりも詳細な情報を収集することで、がん医療を提供する医療機関の特徴や役割、地域での診療機能の過不足を評価することが可能です。また、患者数や治療件数などを公開することで、患者さんの病院選択などにも役立つことが期待されています。

全国同じルールで登録するために

情報の活用には精度も大変重要です。全国で決められた同じルールで登録することが大切で、がん登録ができない地域や医療機関があると、集まった情報に偏りができ、活用が難しくなります。

当院は「全国がん登録」を担当する愛媛県のがん登録室として、また県内の「院内がん登録」を推進する役割を持つ都道府県がん診療連携拠点病院としての役割を担っています。さらに、精度の高いがん登録情報が得られるように登録実務者の育成や医療機関への働きかけを行い、情報の活用を積極的に進めています。

イラスト
図 がん登録のデータが今後のがん診療の重要な目安になります

更新:2022.03.10