ご存じですか?患者さん、病院、チームを支える臨床工学技士
平塚市民病院
臨床工学科
神奈川県平塚市南原
臨床工学技士とは?
医療の現場では、さまざまな医療機器が使用されています。以前は、これらを管理・操作する人が決まっていませんでした。しかし、近年の技術発展により、機器の種類も増加し、操作も複雑になっています。そのため、機器を安全に使用するためにも、医療と工学の知識を持つ「臨床工学技士」という資格が、現在は存在します。比較的新しい資格のため、まだまだ認知度が低い職種です。
病院ではどのような仕事をしているの?
私たちは「生命維持管理装置」という機器を、医師の指示の下、操作や保守管理します。呼吸を代行する人工呼吸器、代謝を代行する血液透析装置、循環を代行する人工心肺装置、心臓ペースメーカーなどが対象となります。その中の1つの人工心肺装置を例に、私たちの仕事を紹介します。
心臓外科の手術では、症例によっては、患者さんの心臓を止めた状態で行います。心臓が動いていないため、肺への循環もなくなります。その間、患者さんの心臓や肺の代わりとなるのが人工心肺装置であり、この装置を操作するのが臨床工学技士です。手術の進行状況、術中の患者さんの循環動態などに応じ操作を調整するため、片時も装置から離れることはありません。このように、生命に関係する極めて重要な任務を担っています。また、医療機器を安全、安心に使用できるよう、日常点検や定期点検などの機器管理も日々行っています。
出会っているかもしれない、臨床工学技士
当院では、臨床工学技士は「臨床工学科」に配属しています。職名から、「機械屋さん」という地味なイメージを持つ方も多いですが、実際は臨床の場で、医師・看護師などの病院スタッフや患者さんとかかわることが多くあります。当院は総合病院であり、さまざまな科や手術室が配置されているため、私たちが操作・保守管理する機器も多種にわたり、現在、臨床工学科が管理している機器は約800台、2016年度の保守管理業務は7000件でした。また、2016年度の臨床業務件数は9000件以上あり、院内のいたる所で活動しています。そのため、私たちを見かけることがあるかもしれません。夜間や休日の緊急業務にも迅速に対応できるよう、体制を整えています。
私たちは、医療機器と切っても切れない職業です。チーム医療の一員として、ほかの職種とは違った目線から、安心で安全な医療を提供できるよう、日々努力しています。
更新:2024.10.29