「緩和ケア」とはどんなことをするのですか?

緩和ケア科 緩和ケアセンター

「緩和ケア」って、何ですか?

病気になったときは、さまざまなつらいことがあります。痛みなど、体の症状だけではありません。

気持ちがイライラしたり落ち込んだり、仕事や経済的なことで悩んだり、また「どうしてこんな病気になったのだろう」と考えることもあるかもしれません。これらのつらさをまとめて「全人的苦痛」と表現します(図1)。

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図1 全人的苦痛とは

緩和ケアの目的は、この「全人的苦痛」をできる限り予防したり、和らげたりすることで、患者さんと家族の「生活の質・生命の質」(QOL)をより向上させようとすることです。死を早めようとしたり遅らせようとするものではありません。

「緩和ケア」はいつ、どこで受けられますか?

緩和ケアとは、終末期の患者さんに対して行うケアのみを指しているのではありません。緩和ケアは患者さんが自分らしく生きること、ならびにその家族を支援することを重視して、診断時から治療中、さらには終末期や遺族ケアに至るまで、すべての過程で提供されます。

病気でつらい思いをしている患者さんにとって大事なことは、いつでも、どこでもつらさを緩和するケアを受けられることです。まずは、皆さんの周りにいる医師や看護師などの医療スタッフに相談してみてください(図2)。

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図2 あなたの周りの医療スタッフ

当院では、より難しい問題に対しては、緩和ケアについて特別なトレーニングを受けた専門家が対応します。そのために、通院中は今かかっている科から「緩和ケア外来」に紹介いただけますし、一般病棟入院中は「緩和ケアチーム」に協力依頼があり、主治医とともにつらさの治療にあたります。また、患者さん、家族に対する環境をより充実させた「緩和ケア病棟」も設けています。全個室で20床あり、家族用ベッドや控室もあります。

そのほかにも、「がん相談支援センター」や「がん看護外来」もあり、全体を緩和ケアセンター(図3)がまとめています。かかりつけ医やかかりつけ薬局、訪問看護師など病院外の医療機関とも連携して、患者さんが病気のどの段階であっても、どういう生活環境であっても、それに合った緩和ケアを提供できるよう努めています。

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図3 緩和ケアセンターを中心とした緩和ケアを提供するシステム

「緩和ケアチーム」って、何ですか?

緩和ケアチームとは、体の症状をみる医師、精神科医や心理士といった心の専門家、認定薬剤師、認定看護師、ソーシャルワーカー、理学・作業療法士、管理栄養士などが、多方面からの視点、知識をもって、より難しい問題に対応するために集まったものです。チームのメンバーが個々に患者さん、家族に対応することもありますが、チーム全体でも患者さんの問題について話し合います。患者さん、家族も一緒にそのつらさを和らげるための方法を考えていくことになります。

病気になり、つらい思いをしたときは、そのつらさを「緩和」する方法があることを覚えておいてください。まずは皆さんの周りにいる身近なスタッフに話しかけ、相談してみましょう。解決が難しい場合は、緩和ケアチームや緩和ケア病棟など、より専門のスタッフが対応します。つらさを和らげるため、できることを一緒に考えましょう。

更新:2022.03.29