あらゆる診療科からの依頼に応え質の高い画像提供をめざすスペシャリスト集団

済生会吹田病院

中央技術部

大阪府吹田市川園町

充実した医療機器により、安全で質の高い画像を提供

放射線は自然界に存在するものですが、医療界においては人工的に放射線を作り出して、放射線治療や画像診断、検査に利用しています。放射線に対するイメージといえば「被ばく」「見えない」「危険」などと良くないことが連想されますが、病気の発見、治療法の選択、治療効果の判定と、なくてはならないものです。東日本大震災の影響からか、世間では放射線は危険と思われがちですが、適切に使用すれば安全で大変有効なものです。医師の治療に必要な検査だけではなく、病気の早期発見などの予防医療に対しても大きな役割を担っています。

私たち診療放射線技師は、医師または歯科医師の指示のもと専門的な知識を生かして放射線を適切に使用し、診断画像・検査の提供および放射線による治療を行っています。また高度化する最先端の医療機器を扱う医療技術者でもあります。一歩間違って使用してしまえば人体にとって有害となり得る放射線を、いかに安全で的確に使用できるかが診療放射線技師の使命です。そのため、私たちの知識や技術は治療の効果や画質に関して大きく影響します。

放射線治療において治療範囲を決定するのは医師の仕事ですが、その後、実際に放射線を照射するのは診療放射線技師の仕事です。放射線をどの部位に、どの方向から、どのくらいの量を何回に分けて治療するのかという治療計画を立て、腫瘍部(しゅようぶ)の線量分布、周囲正常組織の照射線量を決定し実行します。

画像診断は、X線診断とコンピューター断層撮影診断と核医学診断の3診断方法により成り立っています。画像検査に関しては体の外から診るだけでは分からない体内の病気や、状態(腫瘍、梗塞(こうそく)、動脈瘤(どうみゃくりゅう)など)を画像化して表示しています。Ⅹ線検査やCT検査、MRI検査、RI検査にはそれぞれ得意、不得意とする部位などがあるため、症状や疑われる病気、検査の目的に適した医療機器を用いて検査を行っています。

当院では、一般撮影装置(FPD/フラットパネル搭載)、RI診断装置(ラジオアイソトープ)、3T(テスラ)MRI、320列マルチスライスCT、放射線治療装置、血管撮影装置、X線透視装置、フルデジタル乳房X線撮影装置(マンモグラフィ)、骨塩定量装置などの装置を備えており、これらの機器を駆使することであらゆる診療科や他院からの依頼に対して迅速に対応しています(図1~3)。

写真
図1 320列マルチスライスCT
写真
図2 3T(テスラ)MRI
写真
図3 マンモグラフィ

多くの認定資格を取得し、さらなるスキルアップをめざす

医療技術は日進月歩で発展しています。患者さんに対して最適な検査や撮影を行うためには、検査に関する専門的な知識が必要です。また、医療画像情報の質の向上および被ばく線量の管理など、専門性・安全性を担保できる人材育成が必須です。

当科では診療放射線技師のレベルアップのために、積極的に幅広く多くの資格を取得するように推奨、指導をしています。現在、医学物理士1人、第1種放射線取扱主任者2人、救急撮影認定技師4人、検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師3人、Ⅹ線CT認定技師3人、肺がんCT検診認定技師1人、放射線治療専門放射線技師3人、放射線治療品質管理士3人、核医学専門技師1人、胃がん検診専門技師2人、医療情報技師4人、情報技師技術者1人など、多数の認定資格を取得した診療放射線技師が在籍しています。

今後、さらなるスキルアップをめざし向上していきたいと考えています。

更新:2024.10.29