脳ドックで脳疾患を未然に防ぐ
釧路孝仁会記念病院
高度健診センター
北海道釧路市愛国
脳ドックとは
脳ドックとは、脳に関係する病気を診断したりリスクの早期発見などを目的とした健康診断の一種です。通常の人間ドックだけでは脳の病気を見つけることは難しく、脳を調べるためには別途脳ドックが必要です。
どんな検査?
脳ドックで行われる検査は、脳の断層撮影や脳血管を調べるMRI/MRA検査、脳へ向かう血流の通り道となる頸動脈(けいどうみゃく)の動脈硬化(どうみゃくこうか)を調べる頸動脈エコー検査、動脈硬化の程度を調べるABI(血圧脈波)検査、脳梗塞(のうこうそく)の原因となる不整脈を見つける心電図検査、動脈硬化の危険性などを調べる血液検査等、いくつかの検査を組み合わせて行うことが一般的です。これらの検査で現在の脳の健康状態を確認し、将来脳の病気になるリスクを診断します。

また、3.0TMRIによる検査では、従来の1.5TMRIと比べてより鮮明な画像が得られるため、末梢の細かい血管を映し出すだけではなく、今まで確認することができなかった脳疾患の発見が可能となりました。

脳ドックが勧められる方
日本脳ドック学会が定めたガイドラインでは、以下のような方に受診が勧められています。
- 中・高齢者
- 脳卒中(のうそっちゅう)・認知症の家族歴がある方
- 高血圧の方
- 糖尿病の方
- 脂質異常症の方
- 肥満の方
- 喫煙される方
(脳ドックのガイドライン2019)
どんな病気が見つかる?
脳ドックで発見される脳の病気には、「隠れ脳梗塞」などと呼ばれる症状が出ないような小さな脳梗塞や出血の痕跡、将来脳梗塞の原因になる可能性がある血管の狭窄(きょうさく)(動脈硬化などで血管が狭くなっている状態)、出血の原因になる脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)・血管の奇形、さまざまな種類の脳腫瘍(のうしゅよう)などが挙げられます。




※図1~4の〇印は疾患の箇所です
近年、脳梗塞の治療技術は飛躍的に進歩していますが、依然として発症してしまうと治療が難しく、後遺症を残すことも多い病気です。しかし、その中には脳ドックによる早期診断と治療によって未然に防ぐことができるケースもあります。
また、くも膜下出血(まくかしゅっけつ)の原因となる脳動脈瘤は治療により出血を未然に防ぐことが可能ですが、動脈瘤が破裂して出血を起こすまでほとんどの場合が無症状のため、脳ドックなどで脳血管の検査(MRA)を行わなければ発見することは困難です。
大病を発症してしまう前にリスクを減らし、健康を維持していくためにも脳ドックを受診してみましょう。
脳ドックの紹介
▼脳精密ドック 33,000円(税込)
脳梗塞の原因となる脳血管の狭窄や、くも膜下出血の原因である脳動脈瘤などを発見できます。
【検査内容】
診察・身体計測(身長、体重、視力、腹囲、血圧、BMI)・頭部MRA・頭部MRI・頸動脈エコー・ABI検査・心電図・眼底検査・血液検査・尿検査
また、手足のしびれが気になる方には頸椎(けいつい)・腰椎(ようつい)の検査を加えた脳脊髄(のうせきずい)精密ドックも行っています。
▼脳脊髄精密ドック 55,000円(税込)
手足のしびれが気になる方に。脳精密ドックに頸椎・腰椎の検査を加えたコースです。
【検査内容】
診察・身体測定(身長、体重、視力、腹囲、血圧、BMI)・頭部MRA・頭部/頸椎/腰椎MRI・頸椎/腰椎X線・頸動脈エコー・ABI検査・心電図・眼底検査・血液検査・尿検査
更新:2024.05.28