肺がん(内科的治療):早期発見が重要陽子線治療も選択可能です

札幌孝仁会記念病院

呼吸器内科

北海道札幌市西区宮の沢

検診で早期発見を

肺がんは肺の気管支や肺胞の細胞が何らかの原因でがん化したものです。国内のがん死亡者数が最も多い病気です。全国で1年間に12万5000人が診断されています。定期的な検診で早期発見することが重要です。

肺がん予防は、まずは禁煙です。喫煙により男性で4.4倍、女性で2.8倍も肺がんになりやすくなります。当院高度健診センターでは、肺がんが疑われる場合には、肺のX線写真やCT検査で、病変の有無を調べます。異常が見つかると、気管支カメラやCTガイド下肺生検を用いて肺がんが疑われる部位の一部を採取し、顕微鏡で詳細に調べることで確定診断となります。

肺がんの治療

肺がんの治療には、手術、放射線治療、抗がん剤治療などがあります。肺がんのタイプやがんがどのくらい広がっているか、患者さんごとに最も適切な治療を選びます。薬物療法には、従来からの抗がん剤治療(細胞障害性抗がん剤)に加えて、分子標的治療薬(ぶんしひょうてきちりょうやく)や免疫チェックポイント阻害薬など複数の治療薬があります。2023年9月時点で当院には常勤呼吸器内科専門医がおりませんので、薬物治療が必要な患者さんには自宅近くで薬物療法が可能な病院を紹介しています。肺がんの手術治療・放射線治療は当院で行っています。

図
図 肺がん治療

高齢で体力に心配のある患者さんには、初期の肺がんであっても陽子線治療を選択することができるのが当院の利点です。陽子線治療は標準治療である外科手術よりも体力を温存して社会生活維持との両立が可能です。日本放射線治療学会では2024年以降、肺がんに対する保険適用をめざしていますが、2023年9月時点で保険適用ではありません。しかし、先進医療保険に加入している患者さんは保険を利用した陽子線治療が可能です。ご希望の方はぜひご相談ください。

高度健診センターで肺がんの早期発見に努めています。まずは手術可能な肺がんかどうかを調べます。手術が可能な場合は肺がんの発見から手術まで1か月以内の治療をめざしています。「治る肺がんは早く見つけて早く治す」、そのお手伝いをさせてもらいます。

更新:2024.07.29