当院の救急医療体制

札幌孝仁会記念病院

救急診療部

北海道札幌市西区宮の沢

札幌市における当院の救急医療

当院の前身は、札幌市西区にあった北海道大野病院です。循環器内科、心臓血管外科の治療経験が豊富で、最新の治療を行っていました。

2014年に母体が「社会医療法人 孝仁会」へ変わり、救急分野では、あらゆる脳神経外科救急疾患を治療することができます。重症頭部外傷については形成外科との連携が可能であるため、高度な救急診療を提供できる体制が整っています。

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写真1 救急初療室

西区・手稲区だけではなく、札幌市内外からも多くの患者さんが搬送され、2016年10月の開院以来、救急搬送数は年々上昇しています。札幌市の救急医療はひっ迫しているため、当院に寄せられる期待はますます高まり、大きな責任を担っています。

1秒でも早く治療を!心臓が原因で起こる脳梗塞(のうこうそく)

脳神経外科分野では、心疾患や不整脈(ふせいみゃく)が原因で起こる心原性脳塞栓症(しんげんせいのうそくせんしょう)に対して、緊急血栓回収術(きんきゅうけっせんかいしゅうじゅつ)を行うことができる医師が3人在籍する、北海道でも数少ない病院です。

緊急血栓回収術とは、足の付け根の血管から、脳動脈にある血栓(けっせん)(血の塊(かたまり))を強い吸引力で吸い込むことができるカテーテル(医療用の細い管)や、金属製のステントレトリーバーという機器を用いて、頭の血管内にある血栓を地引網の要領で回収する手術です。

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写真2 血管内治療の様子

本来なら寝たきりになってしまう患者さんも、早期診断・治療により社会復帰できる可能性が格段に上昇するため、スタッフ一同、1秒でも早く治療ができるよう日々精進し、断らない医療を実践しています。

なんでも診られる救急診療をめざして

都市部の救急医療は専門化が進み、胸痛(きょうつう)なら循環器病院、腹痛なら消化器病院、頭痛なら脳神経外科病院のように、救急隊の中でもその分野が得意な病院に振り分けられます。しかし、実際の患者さんは「胸痛と腹痛がある」「めまいと腰痛がある」など複数の訴えを抱え救急要請します。1つの専門分野しか診療できない医療機関は、断ってしまう現状があるようです。

当院は心臓・脳・整形・脊髄疾患(せきずいしっかん)をすべて診ることができる地域に根差した病院であり、少しでも多くの患者さんを受け入れられるよう努力しています。

更新:2025.02.06