高脂血症など:健診で見つかる身近な疾患
札幌孝仁会記念病院
内科
北海道札幌市西区宮の沢
高脂血症とそのほかの疾患
当科には、当院の健診センターで再検査や精密検査のため、内科受診を勧められた方が受診しています。代表的なものに高脂血症(こうしけっしょう)があります。
中性脂肪が高い場合
中性脂肪が高い場合、甘い物やお酒が好きなことがあります。そのため糖尿病、糖尿病予備軍または、アルコール性肝障害になっていることも考えられます。甘い物が大好きな方なら甘い物を控えるように、お酒が大好きな方にはお酒を控えるように説明し、生活習慣を注意してもらいます。
コレステロールが高い場合
コレステロールが高い場合は、食生活や運動習慣を確認します。朝食抜きや夕食に偏った食事をとっている方がいます。食事は3食バランス良くとることを勧めています。運動習慣がない方には、例えば車通勤を見直すなどのアドバイスをします。北海道では冬季の運動がしにくいため、スポーツジムを勧めたりしています。
コレステロールが高い方には、甲状腺ホルモンが少ない場合があります。採血で甲状腺(こうじょうせん)に異常が見つかれば内分泌内科を受診するよう説明します。また遺伝的にコレステロールが高い場合があるので、家族の健康状態を確認することも大切です。コレステロールが高いと動脈硬化(どうみゃくこうか)になっていることがありますので、動脈硬化の検査も必要です。
中性脂肪やコレステロールは高いが、内服治療がまだ不要と考えられる場合は、本人と相談し、健診で経過観察をしてもらうか、2〜3か月後内科に再度受診してもらっています。また糖尿病が隠れている場合は糖尿病内科を、アルコール性肝障害が隠れている場合は消化器内科を受診するよう説明します。
内服治療が必要と判断される場合は治療を開始し、外来で治療を続けます。
高脂血症以外で健診から当科に紹介される受診者には、血液の異常値や梅毒(ばいどく)検査の異常値を指摘された方がいます。当院には血液内科がないため、まず内科を受診してもらいますが、ほとんどは再検査で異常なしを確認しています。その場合、健診を継続するよう説明し終了しています。しかし、なかには再検査でも異常値を示す受診者もいます。その場合は血液疾患の可能性があるため、患者さんと相談し血液内科に紹介します。
また女性の貧血の場合は生理が原因のことがあります。その場合は、胃カメラや便潜血検査(または大腸カメラ)を行い、消化管出血を否定し、婦人科受診を勧めます。
最近、梅毒検査の異常で受診する方も珍しくありません。その中には偽陽性(誤って陽性と判断されている)または既感染(過去に感染したことがある)と考えらえる受診者がいます。どちらも受診者からの情報が非常に大切です。梅毒に感染中とわかれば治療を開始します。
更新:2024.07.29