ロボット支援手術(ダビンチ)正確で安全な「患者さんにやさしい手術」をめざす

札幌孝仁会記念病院

泌尿器科

北海道札幌市西区宮の沢

ロボット支援手術

さまざまな分野でロボットが活躍する現代。最先端の科学は、「ロボット外科手術」という形で医療の分野でも実用化され、大きな恩恵をもたらしています。da Vinci(ダビンチ)は、ロボット外科手術で使用される「内視鏡手術支援ロボット」です。ロボットアームと内視鏡カメラを執刀医が操作して手術を行います。執刀医は、患者さんの体内に入ったように思えるほど鮮明な映像を見ながら、人間の手の限界を超えた精密さ・正確さで自由に動くアームを駆使することができます。

従来の手術に比べて出血や合併症が少なく、「患者さんにやさしい手術」です。ごく限られた手術の名人の技を、広く一般の手術で再現してくれるのがこのロボットです。札幌孝仁会記念病院では第4世代最新機種のda Vinci Xiを導入し、さらに操作性と安全性が向上しました(写真)。

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写真 多関節ロボットアームにより体への負担が少ない手術が実現可能に
(©2023 Intuitive Surgical)

さまざまな病気をロボット支援手術で治す

泌尿器科分野はロボット支援手術の先駆けであり、2012年に前立腺(ぜんりつせん)がんに対するロボット支援前立腺摘出術が保険適用になって以来、現在ではほぼすべての泌尿器科手術がロボットに置き換わっています。2018年度以降、泌尿器科分野以外でもロボット支援手術の保険適用が拡大され、現在では心臓外科、消化器外科、婦人科などでも日常的に広く行われるようになっています。

例えば胃がんの手術では、リンパ節転移が疑われる症例などでロボット支援手術が選択されます。通常の腹腔鏡手術(ふくくうきょうしゅじゅつ)では関節を持たない鉗子(かんし)(はさみのような形をした、物をつまむ道具)を使用し、膵臓(すいぞう)に触れながらリンパ節を切除しますが、ロボット支援手術では手振れのない多関節ロボットアームにより、可能な限り膵臓に触れることなくリンパ節を切除するため、膵臓関連の合併症が少ないといわれています。

筆者は、日本泌尿器内視鏡学会によるロボット手術指導医(プロクター)の資格認定を受けています。また、日本ロボット外科学会からロボット手術の経験が豊富な術者(300例以上)に与えられる国内A級ライセンスも取得しています。ロボット支援手術に関しての質問など、気軽に相談してください。

更新:2025.02.06