不登校

肥前精神医療センター

精神科

佐賀県神埼郡吉野ヶ里町三津

不登校

どんな病気?

文部科学省では病気などを除いた理由で年間30日以上休んでいることを不登校と定義しています。不登校小中学生の数は年々増加しており、令和4年度の調査では約30万人と報告されており、これは全小中学生の約3.2%に当たります。不登校の小中学生は多彩な症状を呈することが多く、原因が明らかなものから、はっきしりないものまで多種多様です。不登校そのものは病気ではありません。学校だけでなく、本人の特性や周囲との関わり、さまざまな要因が重なった結果です。家族が孤立せず、学校や関係機関と協力しながら本人に寄り添っていくことが重要です。

症状

多彩で変動しやすい症状が特徴

不登校の初期には、「登校したいけれども登校できない」という葛藤が患者さんには生じています。その葛藤が、身体がだるい、なんとなく具合が悪い、頭が痛い、お腹が痛いなどの症状として現れることが多いとされています。これらの症状の特徴として症状の強さや場所が移動しやすい特徴があります。また、学校を休んでよいと言われると症状が緩和したり、朝は体調が悪いが昼頃には比較的元気になっている、土日や長期休暇中は症状の訴えがなくなるなどの特徴が見られたりもします。登校できず自宅にいる時間が長くなってくると、怒りっぽさやイライラ感が見られることがあります。

図
図1:肥前精神医療センター児童外来の新患患者における不登校の割合(令和4年度)

検査・診断

不登校自体は病気ではない
除外診断が重要

体調不良があれば、血液検査、起立試験、画像検査など必要な検査を行うことがあります。また、検査を行う中で以下のようなことについても検討を行います。

①身体疾患:
起立性調整障害、過敏性腸症候群貧血、甲状腺疾患、片頭痛などが背景にある場合があります。
②神経発達症:
学習障害や知的な問題から学習での困難を訴える場合や、自閉スペクトラム症や注意欠如・多動性障害に起因した友人関係でのトラブルなどが背景にある可能性も考えられます。
③精神疾患:
意欲が低下し、気分の落ち込みが見られるうつ病、過度に不安が強い不安症、誰かに見られているような感じがずっとあるという統合失調症の前段階なども考えられます。
④児童虐待、学校でのいじめ
など

治療と経過

回復の過程は個人差あり
慌てず焦らず

まずは心身の回復を図ることが重要です。規則的な生活リズム、食事摂取などの基本的なことを継続できるように周囲がサポートしてあげることが重要です。身体の症状がある場合は、症状に合わせた薬を使用することがあります。

また、家族が学校と連絡を取ったり、その他スクールソーシャルワーカーなどとつながることも重要です。学校外にも、適応指導教室やフリースクール、教育支援センターなど家族が相談できたり、患者さんが通えるところもあります。このような教育支援センター、フリースクールなどの民間施設の利用が条件を満たせば出席扱いとなったり、最近ではICTなどを利用した学習支援もあります。そのような学校外の支援機関とつながること、家族の健康も大切です。不登校の患者さんの親の会などもあります。

よくある質問

子どもが不登校になりました。どのように接するとよいでしょうか?

不登校の患者さんを支える家族はとても不安で心配な気持ちでいっぱいかと思います。しかし、それは患者さんも同じです。家で安心して休めるような声掛けをしてあげてください。また自尊心が低下し、自信を失っている患者さんもいます。家族が患者さんを大切に思っていることや、何か手伝えることはないか尋ねたりして応援している姿勢もとても重要です。
家族としてはどうして学校に行けないのか、学校でどんなことがあったのか知りたい気持ちもあると思います。しかし患者さんの中には、どうして行けないのか自分でもわからなかったり、辛くて言い出せないということもあります。無理に聞き出そうとせず、患者さんが自身の言葉で話せるようになるまで待ってあげることも大切です。

症状をCHECK
※症状は人によりさまざまです

  • □ 朝はなかなか起きられない
  • □ 登校前に腹痛、吐き気などを訴えてトイレにこもる
  • □ 朝は体調がよくないが、学校を休むと昼頃からは普段と変わらず元気に過ごしている
  • □ 夜は明日は学校に行くと話すが、翌日になるとなかなか動けない
  • □ 制服に着替えるが、玄関から出られない
  • □ 休みの日は元気そうにしている
  • □ 体調不良について小児科の診察や検査でも特に異常はない
  • □ 人目を気にして外出できない
  • □ ゲームやネットに依存的になり昼夜逆転の生活になっている

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更新:2026.08.14