がん相談支援室の役割

愛知医科大学病院

がん相談支援室(看護部)

愛知県長久手市岩作雁又

がん診療拠点病院として

当院は、質の高いがん医療が受けられる、愛知県知事指定のがん診療拠点病院です。

各がん拠点病院には、患者さんやご家族のがんについての理解を助け、療養生活や医療費など、さまざまな相談に応じるための相談支援室が設置されており、当室はその役割を担っています。患者さんやご家族からのがんに関する疑問や不安、悩みに対応する相談窓口です(写真1)。

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写真1 地下1階のB3がん相談支援室へはエレベーターを利用してお越しください

がんと診断されたときから相談窓口へ

相談内容は、がんを告知されて気持ちが落ち着かない、話を聞いてもらいたい、医師に聞きたいこと言いたいことが言えずに悩んでいる、がん治療で悩んでいる、ご家族としてどのようにかかわっていけばいいのか分からない、などがあります。当室は、がんの診断から治療、その後の療養生活にわたって疑問や不安を感じたとき、1人で悩まずに専門相談員に相談できる場となっています。

相談というと、対面式で少し堅苦しい、かしこまっているというような印象を抱きがちですが、当室は些細なことでも気軽に話ができる場を目指し、患者さんと向き合います。地下1階にあり相談の予約は不要ですので、迷ったら一度お越しください。また、電話での相談も可能です。当院に外来受診、入院中の患者さんやご家族のほか、地域の方はどなたでも無料で利用できます(写真2)。

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写真2 当室前に設置してある閲覧用の資料は自由にご覧になれます

がん患者さんやご家族に寄り添う

がん相談支援は専門相談員(看護師)が対応します。医療費などの経済的な問題、仕事、療養生活(転院や施設入所)、福祉制度など、相談内容によっては、ほかの専門相談員の医療ソーシャルワーカーと連携を図り対応しています。住み慣れた場所で安心して、医療を継続したまま療養生活を過ごされたい場合は、継続看護相談室の看護師と連携を図ります。

このように、各関連部署の担当者とともに患者さんやご家族の気持ちに寄り添い、一緒に考えながら、問題が解決できるようお手伝いします。

がん患者さんやご家族を支える活動

当院ボランティアの協力もあり、当室では抗がん剤治療により脱毛が生じた方のための「タオル帽子」や、乳がん手術によって乳房切除をされた方のための「乳房パット」の作製会の開催や作製品のお渡し、慰安を目的としたアロマを使ったハンドマッサージの体験などを行っています。また、ピアサポーター(同じ経験や問題を持つ支援者)として乳がん患者さん自身が、ほかの患者さんの相談事を聞いたり、乳がん患者さんたちのおしゃべり会も毎月1回開催したりしています。ボランティアが中心となって行うイベントへの参加も無料となっています。

がん患者さんとご家族に何が必要かを考え、今後もがん患者さんやご家族が交流できる場の提供や、当室を利用してよかったと思っていただけるような支援を目指し、活動していきます(写真3、4)。

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写真3 手作り乳房パットと帽子
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写真4 ピアサポーターは、同じ立場で話を聞きます

更新:2024.01.25