救命救急最前線ー24時間、365日体制で安心かつ高度な医療を提供

愛知医科大学病院

救命救急科 高度救命救急センター

愛知県長久手市岩作雁又

県内で唯一の高度救命救急センター

当院では24時間、365日体制で患者さんを受け入れ、最先端の治療を提供しています。また、県内で唯一の高度救命救急センターとして、地域医療ネットワークの中心としての役割に加え、救急医療の最後の砦(とりで)としても機能しています。

救命救急センターは、厚生労働大臣が定めるもので、重篤な患者さんに対する救急医療を行うことが目的とされており、このうち、高度救命救急センターは全国に38か所しか指定されておらず、さらに専門性の高い救急医療を提供する診療機能を有することが求められています。

また、ドクターヘリコプター(以下ドクターヘリ、写真1)をいち早く運用し、地域医療ネットワークの中心として、24時間365日、絶えることなく患者さんを受け入れる体制を構築しています。

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写真1 ドクターヘリは病院の敷地内にヘリポートを完備し、365日稼働しています

高度救命救急センターで中核的な役割を担っている救命救急科は、他施設で対応できない重症患者さんを受け入れる最後の砦としての使命感のもと、「全患者救命」をモットーに全力投球で治療にあたっています。

救急要請を受けた、心筋梗塞(こうそく)、多発外傷、脳卒中、重症感染症、急性呼吸不全、急性腹症、急性中毒などの重症症例では、専門各科の力も結集して救急初期治療室(写真2)で診断と治療にあたり、その後の急性期管理を行っています。生命の危機にある急性期の患者さんを、救急科専門医、集中治療専門医をはじめとした種々の専門医集団が、集中治療室(写真3)で厳重なモニタリング、臓器サポートを行い、現在、当院では予測死亡率をはるかに下回る死亡者数となっており、高いレベルの医療が維持できています。

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写真2 初期治療室、外傷処置室など6床で初期治療を行います
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写真3 集中治療室では、最新の設備で重症患者さんの治療を行います

また比較的軽症の患者さん、かかりつけの患者さんも、救急診療部と病院各診療科が協力し、地域の皆さんに安心と安全を届けるため24時間体制で受け入れを行っています。

ドクターヘリで訓練された医療スタッフが急行、現場で治療開始

ドクターヘリとは、救急処置を必要とする重篤な患者さんが発生した現場などに、救急医療に精通した医師・看護師を派遣することを主目的とし、初期治療に必要な医療機器と医薬品を搭載した救急専用のヘリコプターです。

ドクターヘリは、単なる患者搬送システムではありません。現場に医療チームが出向き、初期治療開始までの時間を短縮することが最大の目的です。さらに、患者さんの状態を安定させ適切な高度医療機関に迅速に搬送することにより、救命率の向上や後遺障害の軽減などの効果が得られます。

国内で初めて正式にドクターヘリが配備されたのは2001年4月で、現在では41道府県で51機のドクターヘリが運用されています。当院のドクターヘリは国内で4番目に導入され、現在に至るまで日本の航空医療を牽引しています。

愛知県ドクターヘリは365日応需する体制を整えており、1年当たり概(おおむ)ね400回の出動を誇っており、救命率の大幅アップに貢献しています。出動する地域は県内全域で、山間部での急病や事故、沿岸部での水難事故などにも利用されています。また、ほかの病院から依頼を受けて、病院間搬送にも利用されています。救命救急科の医師、高度救命救急センターの看護師が責任を持って搬送中の治療を行い、安全かつ迅速な転院のお手伝いもしています。

更新:2022.03.14