地域とつながる看護部~専門性の高い看護をもっと身近に~

中部ろうさい病院

看護部

愛知県名古屋市港区港明

誠実な看護〜看護部の紹介〜

当院看護部は誠実を基本理念とし、患者さんの「生命・生活」の質の向上に貢献できる看護をめざしています(図1)。また、「多様な価値を尊重し、看護をつなぐ」を看護部の目標としています。

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図1 中部ろうさい病院看護部理念

看護師一人ひとりが成長していくことができるキャリア開発プログラムを看護師教育に取り入れ、「キャリアデザインを支援し、看護職のやりがいにつなぐこと」「より専門性の高い看護師の育成に取り組み、人的資源を活用し地域の人々の満足と信頼をつなぐこと」などを実践しています。

専門性の高い看護

当院には現在、認定看護師は14分野22人、特定看護師は2人おり、それぞれ特定の看護分野における熟練した看護技術や知識を実践の場で発揮し、院内外で活躍しています(図2)。

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図2 認定看護師・特定行為研修修了者一覧

看護専門外来としては、ストーマ(人工肛門)外来・糖尿病療養指導・禁煙外来・腹膜透析外来などがあり、認定看護師やリソースナース(特定の看護分野で認定資格を有し、組織横断的に活躍する看護師)が担当しています。

看護専門外来は入院患者さんだけでなく、通院治療中の患者さんや家族にもかかわり、看護の質向上に貢献しています。また、病院内では病棟に出向いて患者さんに指導や相談を行っています。困難な事例の場合には、認定看護師間や多職種とも連携し、患者さん一人ひとりに合った医療を提供できるよう、チーム医療の一員として活躍しています。

特定看護師は、それぞれの特定行為をすることにより、医師と協力し安全な医療の提供をめざしています。

このような人材を多く育成し、それぞれの専門分野における実践、教育、研究活動ができるように支援することで、患者さんに寄り添い、必要な看護を提供しています。

地域とつながる看護

認定看護師・特定看護師の活動は、入院患者さんだけではなく、地域の皆さんの健康を守るための取り組みも行っています。健康維持に役立つ情報の発信として、地域の介護施設での研修会の開催や看護ケアの相談、小中高校の教育活動として、生徒や教師に向けた心肺蘇生法講習会やがん学習会などを行っています(写真1)。また、電話やファクスによる相談も専門分野の認定看護師が対応しています(表)。これらの活動は、当院主催の看護週間イベントや、健康フェスタを通じ、地域の皆さんへ紹介しています(写真2)。

写真
写真1 高校での心肺蘇生法講習会
活動の内容(認定領域) 具体的な内容(2019年度実施件数)
〇心肺蘇生法講習会
(救急看護・集中ケア)
近隣の小・中・高校で、心肺蘇生法の講習の講師(12件)
〇感染対策について学習会
(感染管理)
保健センターや介護施設で、感染防止対策について指導(7件)
〇摂食・嚥下について学習会
(摂食嚥下障害看護)
訪問看護ステーションや介護施設で、誤嚥や窒息時の対応について指導(8件)
〇褥瘡ケア・ポジショニング
(皮膚排泄ケア)
介護施設職員に向け、高齢者のスキンケアや褥瘡予防の講習法の講師(4件)
訪問看護師と同行訪問(2件)
〇認知症看護学習会
(認知症看護)
介護施設・訪問看護ステーションで認知症の対応について学習会(4件)
〇電話・メールなどでの相談 電話やメールでの相談内容を適宜回答(39件)
〇病院・施設・学校などへ訪問 近隣病院、施設、企業へ当院の認定看護師活動等についてリーフレットを配布し広報する(45件)
表 認定看護師による院外活動の1例
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写真2 2019年中部ろうさい病院健康フェスタ(手術室見学)

病気になっても安心して地域で暮らしていくために、入院前から退院後の生活を見据えた準備をするお手伝いをし、退院にあたっては地域の医療施設や保健・福祉サービスなどと連携し準備を整えています。退院後も地域の訪問看護師とともに、当院の看護師が自宅に訪問する取り組みは、2014年度から行っており、今後も拡大していく予定です。

病気を防ぎ、病気と仲良くつきあい、最期のときまで本人の気持ちを支える誠実な看護で、皆さんに選ばれる病院をめざしています。

更新:2022.03.23