泌尿器科 性のお悩み…話してみませんか?-バイアグラだけが治療じゃない!

中部ろうさい病院

泌尿器科

愛知県名古屋市港区港明

あなたなら、誰になら、相談できますか?

性とは――。現代においては、もはや単なる生殖のための営みではありません。生活の潤いであったり、楽しみであったり、時に苦であったり、未知への探求や、憧憬をはらむものでもあるかもしれません。多種多様な性のあり方が認知され始め、かつては公に語ることもはばかられていた「性」へ、いま、社会が向き合い始めているのです。

しかし、「その性に困ったとき。相談できる場所は、社会の中にとても少ない。仲の良い友人や家族にだって、なかなか話しにくいですよね」。困っているのに誰にも相談できず、時とともにあきらめていくのは、とてもつらいことです。

当院では、特に性機能に困ったときに相談できる場所として、「性機能外来」という専門外来を設けています。完全予約制で、通常診療とは時間帯も分けているため、皆さんの話をじっくり聞いて、しっかり相談ができます。待合で顔が合ったとしても、同じく性にお悩みを持つ方々ですので、気兼ねなく受診ができる外来です。

性機能障害って、いろいろ

性機能の障害といって思い浮かぶことは?陰茎の勃起不全(ED)くらいでしょうか?そして、「じゃあ、バイアグラ(シルデナフィルクエン酸塩錠)」「それがダメならあきらめだ」とか?おそらく、そんなイメージが一般的ではないでしょうか。

しかし、バイアグラを始めとするED治療薬以外にも、EDへの治療の選択肢はあります。「バイアグラだけが治療じゃない」のです。

意思と関係なく、勃起が数時間以上持続してしまう持続勃起症や、陰茎にしこりができて硬化変形するペロニー病などは、手術を要する場合もありますし、射精の障害(早漏・遅漏・射精不能)か無オルガスムなどは、勃起とはまた別の問題です。ほかにも性交時の痛みやマスターベーションのやり方、さらには性的嗜好の相談など、性のお悩みの間口は非常に広いのです。

これら性機能障害は、不妊の問題にもつながっており、男性側が原因となる不妊のなんと13.5%を占めています(1))。

また、性機能障害は脳やホルモン系の病気が原因のこともあれば、糖尿病など生活習慣病との関連も強く、心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳梗塞(のうこうそく)の前兆として現れる場合もあります。「おしも」に注視しつつ、体全体も視野に入れねばならないのです。

これらを専門的に診ている病院は全国的にも極めて少なく、当院は希少な専門施設として、プロ意識を持って日々診療を行っています。お悩みの際は、遠慮なく受診してください。

【参考文献】1) 我が国における男性不妊に対する検査・治療に関する調査研究(厚生労働省子ども・子育て支援推進調査研究事業)平成27年度総括・分担研究報告書

泌尿器科の特徴

泌尿器科というと「おしっこ」と「性病」……。要はパンツの中だけを診る所と思われがちですが、実は腎臓(じんぞう)・尿路(腎盂(じんう)・尿管・膀胱・尿道)・生殖器(陰茎・陰嚢(いんのう)・精巣・陰唇(いんしん)など)・前立腺・副腎・そのほか後腹膜(こうふくまく)領域の疾患をすべて担当します。これらにトラブルがあれば、検査・診断に始まり、投薬治療・手術・抗がん剤治療に至るすべてを行うため、内科的知識と外科的技術と柔軟な思考力が必要とされる専門性の高い科です。

更新:2022.03.23