救命救急センターの新施設

いわき市医療センター

救命救急センター

福島県いわき市内郷御厩町久世原

当院では、市立総合磐城共立病院時代の1980年から急患室(このときに「救命救急センター」の県指定)を設け、各科の医師とともに救急業務を実施してきました。救急医療の進歩や受診患者さんの増加に伴い、2002年には救急専門医を常勤として迎え、医療機器等を整備するなど、救命救急センターのリニューアルを図りました。2017年は受診患者数が2万959人(57人/日)、救急車による受け入れ数が4365人(12人/日)でした。2018年12月に新たに開院した医療センターでは、医療の変化やさまざまな病気に対応するため、救命救急センターの中に新たな設備を整備しました。

新設備の概要

トリアージ室

緊急時は日時を問わず患者さんが受診し、時には多くの患者さんが同時に受診することがあります。近年では重症度・緊急度に応じて診療の優先度を効率的に決定する、トリアージの重要性が認識されています(表)。

青(蘇生) もっとも緊急を要する 直ちに診察および治療が必要
赤(緊急) 10分以内に診察が必要 15分ごとに再評価
黄(準緊急) 30分以内に診察が必要 30分ごとに再評価
緑(低緊急) 1時間以内に診察が必要 1時間ごとに再評価
白(非緊急) 2時間以内に診察が必要 2時間ごとに再評価
表 トリアージ
イラスト

新病院ではトリアージ室を設置し、受診時に看護師が容態を聞き緊急度を検討し、緊急度の高い受診患者さんが早期に診察を受けることができるようにしています。

感染症診療室

二次感染や院内感染を防ぐため、感染症診療室を設置しました。感染症の患者さんを診察する場合には、一般受診者とは別の入り口から診察室へ案内、またトリアージ室で感染症が疑われた場合には、ほかの一般受診患者さんと分けて診察できるようにしました。

初療室の増床(写真1)

旧病院では救急車を受け入れるエリアは2か所でしたが、新病院では3か所に増床し、多数の患者さんを診ることが可能となりました。また、救命救急センター内に手術室を設置し、早期に治療が必要な重症度の高い患者さんへの対応も可能となりました。

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写真1 初療室

エレベーター

救命救急センター内にエレベーター2基を設置しました。1基は4階にある集中治療室と手術室に搬送するための専用機、もう1基はヘリポートと救命救急センターを直結するエレベーターとして、速やかに重症の患者さんを適切な場所へ移動できるようにしました。

ヘリポート(写真2)

新病院では屋上にヘリポートを整備、ヘリコプターによる傷病者の受け入れが可能になりました。旧病院では、近隣のヘリポートに着陸し、その後救急車で病院へ搬送していました。病院にヘリポートが設置されたことで、患者さんをヘリポートからエレベーターを通じて、直接救命救急センターへ搬送し、早期に診察・治療を行うことができるようになりました。

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写真2 ヘリポート

新病院開院に伴い、新たな設備や機器を導入しました。地域の救急医療の充実・強化へこれまで以上に貢献できるよう、救急医・医療スタッフの育成にも努めていきます。

更新:2022.03.16