医療事故を防ぐための取り組みについて、教えてください

医療安全管理室

医療事故は、どうしたら防げるの?

医療事故とは「医療に関わる場所で医療の全過程において発生する人身事故一切を包含し、医療従事者が被害者である場合や廊下で転倒した場合なども含む」とされています。患者さんが受けた検査や治療、ケアにおいて、本来とは異なった事態(不利益)が発生することをいいます。

医療は患者さんを治療し、健康を取り戻すことをめざしていますが、リスクを伴う医療行為を行う場合、患者さんに予期せぬ害が生じ、時に死亡に至ることもあります。以前は「医療事故はあってはならないこと、個人の注意で防ぐことができる」と思われていましたが、2000年以降は「医療事故は起こりうること、チームや組織全体のあり方を改善しなければ事故は防止できない」と考えられるようになりました。

医療事故が起こるのはヒューマンエラーという観点から、医療事故を防ぐためには、組織として職員一人ひとりが安全管理に対する意識を持ち、安全なシステムの構築を図り、積極的に医療事故防止に取り組むことが大切です。そのためには職員からインシデントレポート(事故報告)として情報(医療事故や事故につながらなかった些細なこと、「ヒヤリとした」「ハッとした」こと)を報告してもらい、事故内容を正確に把握、状況を確認し、原因分析、再発予防策や改善策を講じることが必要です。医療において1件の重大事故の背景には29件の軽微な事故、さらに300件のヒヤリ・ハットが存在する(ハインリッヒの法則)といわれています(図)。

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図 ハインリッヒの法則

どんな些細な「ヒヤリ・ハット」でも報告する文化を醸成することが、重大な事故防止につながります。「インシデントレポートが多い」=「医療事故が多い」ではありません。インシデントレポートの報告数が多いことは、医療安全に積極的に取り組んでいる病院といえます。当院でも職員に、どんな些細なことでもインシデントレポート報告することとし、医療安全管理室では医療現場の実状に合わせた、有効な予防策を関連部門・部署と話し合い、事故防止に取り組んでいます。

患者さんにとって安全な医療体制、および職員が安心して働ける職場環境の整備に心がけることが事故防止につながります。

患者さん・家族も医療チームの一員です。安全な医療を実践するために、患者さんには、フルネームを名乗ってもらい確認しています。患者さんも自ら名前を名乗る・確認する・疑問があれば説明を求めることで、治療に積極的に参加し、ともに安全確保に努めることが大切と考えます。ご理解とご協力をお願いします。

更新:2022.03.29